Bouquet Of A Lily bell
□ちゃんと武器を置いて。
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「当初の約束とはいえ、もう一度夜会を開くなんて…」
「ああ…。ラジ王子の振る舞いには驚かされるな。」
改めて正装に着替える私とモンド。
包帯や頭のガーゼが目立つが仕方がない。
「驚かされるといえば、ゼン殿下も。身分を隠して出席されるらしい。」
「へえ…それはそれで大変そうね。」
モンドは普段見ないステッキを。
私はヴァイオリンを持って、会場へ。
「おお、三日月どの、モンドどの。」
「これは、ゼンでんk…ゼン様、皆々様。」
「あぁ…気を遣わせて済まないな。」
「いえ。」
「貴女が曲を弾くのか?」
殿下は私の持つケースをみてそう言う。
「大変恐縮ですが、そのように。白雪どのとラジ王子の曲を演奏させて頂くことになっています。」
「それは、楽しみだ。」
「では、また後ほど。」
ラジ王子が会場に入ってくるのが見えた。
白雪どのも、オビどのに連れられてすでに会場に入っている。さて、何を演奏したものか。
久しぶりの感覚に少し心躍りながら、弦を走らせた。ラジ王子と白雪どのも、それに合わせて踊り始める。
「これは…見事だな。」
「でしょう。三日月はある国でヴァイオリニストとして名を馳せていましたから。」
三日月の演奏を遠目で見ているゼン殿下御一行とモンド。モンドは久々に聴く三日月の音色に笑みを隠せないようだった。
「時にモンドどの。夜会が終わったらすぐに帰られてしまうのか?」
「当初はその予定でしたが、予期せぬ戦闘もあり忙しかったですから…上からの許可を得て少しこちらを観光していくことにしました。」
「それは良かった。是非、俺たちの城にも来てくれ。」
「………はい?」