華嵐

□夕焼け空
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ゴールドに引っ張られ、ついた先は


「わあ…」


小高い丘だ。

数々の花が生い茂り、花の香りがする。

とても心地よい場所だ。


「…クリス、こっちだ。」


ゴールドは、私の手を握りなおすと、

さらに奥へと進んでいく。


「キャッ」


ふいに、

手をつよく引っ張られ、

私はやわらかい草の上に転ぶ。


「いったあ…ちょっとゴールド!何するの…!」


ゴールドは、そのまま



「よっこらせ」



といいながら、クリスの横に寝転がる。

そして、今一度手をつなぎなおすと、


「よく見てろよ、クリス!」


にかっと笑って、空を指差す。


「なんなのよ…」


クリスは仕方なく空を見上げる


すると



「…あ…」



一つ流星が見えた気がした。

だが、まだ空は夕焼け


「…そろそろだぜ」


ゴールドがボソッと告げると、



空が紫色になった瞬間、

たくさんの流れ星が頭上を流れていく。


「…きれい…」


私は思わずその光景に見とれる。


太陽が沈むか沈まないかのぎりぎりの空。

星たちは待ちきれずに、

それぞれの道を進み、流れていっていた。


二人はしばらくそれを見続けて…



「ゴールド」



クリスは静かに言う。



「…ありがとう、大好きよ」
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