華嵐
□はるか彼方へ
1ページ/1ページ
ねえ、なしてあんたはいつもあたしの事ば見てくれてたと?
あたしはあんたの事ば傷つけた。
あたしとのあの"過去"がなければ、
あんたはもっと違う人生を歩めたんじゃなかと?
ジムリーダー様にもっともっとバトルば教えてもらって、
ホウエンの頂点に立てたんじゃなか?
先輩にも負けん強さを持ちながら
それを隠し続けてたのは、
あたしのせいやったやろ?
なら、なして?
あたしには理解できんよ。
そげまでして、あんたがあたしを見てくれる意味が。
もちろんその気持ちは嬉しいったい。
けど、
あたしは、
あんたとは正反対。
美しさは、求めん。
「ねえ…わからんとよ、ルビー…」
綺麗好きなあんたには似合わない、
破れてボロボロになった、帽子。
それは一週間前、
マボロシ島が出現するという道路で発見された。