episode 2
□交差
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「あーーー、やっぱりそうなるよなーーー」
ライトは、洞窟内で思わず声を上げた。
いつものように、
ポケモン協会からチャンピオン用の仕事を掻っ攫って来て、中身を確認していたのだが、
一枚、こんなものが混ざっていたのだ。
『カントー地区チャンピオンライト殿
いよいよ今年、ポケモンリーグ開催の年となりました。
明日、ジョウト地方のポケモン協会本拠地までおいで下さいますよう宜しくお願いします。
理事
』
その書類をポイと投げ捨て、外に出る。
「今日もいい天気だな…」
山を降りてヒワダタウンのヤドンの井戸を通り抜けて一気にコガネシティに向かう。
行き途中にラジオをつけてみれば、チョウジジムの追跡取材を行っていた。
(チョウジっつーと…ヤナギのじーさんのところか…。)
カントーから離れた3年前、
あっという間にジョウト地方のジムバッジを集めきったライト。
新しいジムに行くたびに名前を変えていたので、正体はばれていない。
「…今日は久々にタンバの方でも行ってみようか…、カイリュー。」
コロン、とボールをそっと転がして出てきたカイリューは、久々の出番で嬉しいのかライトの顔に自分の顔を近づけ優しく笑う。
先程ジムバッジを全て集めた、と言ったが、そのジム戦で使ったポケモンは、カントーで使っていたカイリューとウィンディではない。
ジム戦全てで、エレブーを使っていた。
ジョウトについてすぐの頃、たまたま道路でエレキッドを見つけたのでそのまま捕獲し、その子の訓練も兼ねてのジム戦。
相性の悪いアサギジムには手こずったが、なんとか切り抜けた。
新しい手持ちも色々考えて、色んな地方を飛び回ったりもしていたが、
パーティはまだ育成段階であり、
今手元に置いているのはカイリューとウィンディ、そしてエレブーだけだった。
「…よし、じゃあ行こうか、カイリュー。」
…今日、
この時ライトがタンバに向かったことで、また人生が大きく変わることになることは、誰も知らない。