episode 2

□感情論
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「ッ痛…、」







ガラガラ、と崩れてきた瓦礫の下からなんとか出てきたライト。






「くそったれが…、コンピュータは…!?」






恐る恐る電源をつけてみると、
起動した。






「…さすが…、」






頭を強く打ったのか、血が出ていた。





それに、少し長い時間気絶していたようで、先ほどの仮面の男とホウオウ、ルギア、そしてクリスとゴールド達も見当たらなかった。





だが、リニアの画面を見るに、未だに暴走は続いている。






「チッ…、」






最近舌打ちの回数が増えたな、なんて心の中で思いながら、またしてもパソコンと向き合った時、急にポケナビが鳴った。





グリーンだ。






「どうした?」


『良かった、やっと繋がったか! お前、今どこにいる!?」





ようやく、ということは何度か連絡をしていたのだろう。






「まだセキエイのコントロールルームにいるけど。」


『なら丁度いい。そこから、リニア止められるか!?」


「それならずっとやってるが…、恐らくどこかに隠されてて見つからねーんだ。」


『今…、俺を含めたジムリーダーの乗ったリニア前方が切り離されて、加速を続けている。そして、行きつく先は…、引き込み線だ。』


「!」


『距離的に時間もそうないが…、いけるか?』


「…。」






なんだか急に現実を見た気がして、息を詰まらせた。





だが。





「あぁ…、やってやるさ。」





確信はなかった。
でも、やるしかないのだ。





『こちらは停止プログラムが作動しなくてな。…頼んだぜ。』


「…、任せろ!」






そう言いきって、ライトはポケナビを切った。






ふと周りを見回せば、隣の部屋の壁が崩れていた。






そして、その中に、見覚えのある人物。






「マサキ!」






マサキと、その下にいるのは…誰だろうか。






とりあえず急いで瓦礫をどかし、マサキを叩き起こした。





「おい、大丈夫か!?」

「痛てて… はっ!ナナミはん!大丈夫でっか!?」






いや、まずは俺に礼を言えよ、






と心の中で突っ込んだが、それはさておきだ。
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