episode 2

□名前
1ページ/3ページ

-----。あまりにも、静かだ。
響き渡る波の音が、一層その場が静かであることを強調した。




「…」




ここは、グレンタウン。
ライトがカントーにいなかった3年間のうちに、火山活動によって街は押し流され、今ではただの荒れた土地になってしまっていた。




(…俺の家…、このあたりか?)





形こそ残っていないそこを、ゆっくりと歩く。





「…やっぱここか。」


「!」





上から聞こえてきた声にびっくりして顔を上げれば、リザードンから降りてくるグリーンがいた。




「…よくわかったな。」


「お前、しばらくカントー帰ってなかったみたいだからな。」




ジャリ、とグリーンが##NMAE1##の横に並ぶ。




「約束の時間、何時だと思ってる。」


「え、今言う?この雰囲気で?」



思わず突っ込んだが、グリーンは気にせず続けた。



「お前、家族は。」


「…。」


「グレンで一人暮らししてたのか?」


「あぁ。」


「家事できるのか?」


「あぁ。」


「料理も?」


「あぁ。」


「洗濯も?」


「あぁ。」


「家族は?」


「殺されたよ。」


「!」



少々漫才のようなことをしながら、一番聞きたかった答えにぎょっとした。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ