episode 2
□名前
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-----。あまりにも、静かだ。
響き渡る波の音が、一層その場が静かであることを強調した。
「…」
ここは、グレンタウン。
ライトがカントーにいなかった3年間のうちに、火山活動によって街は押し流され、今ではただの荒れた土地になってしまっていた。
(…俺の家…、このあたりか?)
形こそ残っていないそこを、ゆっくりと歩く。
「…やっぱここか。」
「!」
上から聞こえてきた声にびっくりして顔を上げれば、リザードンから降りてくるグリーンがいた。
「…よくわかったな。」
「お前、しばらくカントー帰ってなかったみたいだからな。」
ジャリ、とグリーンが##NMAE1##の横に並ぶ。
「約束の時間、何時だと思ってる。」
「え、今言う?この雰囲気で?」
思わず突っ込んだが、グリーンは気にせず続けた。
「お前、家族は。」
「…。」
「グレンで一人暮らししてたのか?」
「あぁ。」
「家事できるのか?」
「あぁ。」
「料理も?」
「あぁ。」
「洗濯も?」
「あぁ。」
「家族は?」
「殺されたよ。」
「!」
少々漫才のようなことをしながら、一番聞きたかった答えにぎょっとした。