episode 1

□騙し合い
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---。東16ポイントにて。


「あーら。こんなか弱い女の子1人に、随分大袈裟なことね、ロケット団の皆さん。」


ブルーの周りをうじゃうじゃと囲む団員の中に、ライトも紛れていた。


(ブルーのやつ…、随分余裕だな…。)


あくまでも、後ろの方で様子を伺う形で。


「さあ、ミュウの情報が入ったディスクを渡してもらおうか!」


団員達は次々とポケモンたちをボールから出して行く。


「それはダメよ!だってミュウちゃんは…」


言いながら、ブルーは怪しく笑みを浮かべ、


「あたしが捕まえるんだもーん♡」


と、プリンにディスクを食べさせた。


(うわー、大胆だなー…)


密かなツッコミ。だが、周りの団員達は慌てふためいている。


「な、なんてことを…!」

「あんまり強力な攻撃だと、ディスクが壊れちゃうかもね。」


それを逆撫でするように楽しそうなブルー。


「ディスクが壊れてもいいなら、かかって来なさいな♡」


ぐっ…、と一瞬怯む団員だが、


「と、とにかくディスクを傷つけぬように戦うんだ!カイリキー、いけ!」


負ける気はないようだ。


(危ない!)


思わず、相性の悪さからか、飛び出しそうになったがなんとか堪えた。あのプリン、見かけによらず結構素早い。


「ふふっ、ディスクを気にして本気を出せないのかしら、悪いわぁ♡」

(ほー、言うねえ…)


ボソッと心の中でつっこんだが、ロケット団も馬鹿じゃない。


「カイリキー、サワムラー、いけ!」

「ッ、はやい!」


かくとうタイプの持ち味である素早さ。一気にプリンをKO。ディスクも吐き出してしまった。


「よし!ディスクを取り返せばこちらのものだ。いけ、ケンタロス!」

(おいおい、まだ出すのか…?)


団員仕草をボーッと目で追いながらバトルを眺める。


「やばっ、選手交代!」


ブルーもプリンを引っ込ませ、新たなボールを投げた。
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