Bouquet Of A Osmanthus
□Floor B6
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「……………ふう……」
『行ったか?』
「…うん。」
スタッ、と音を立てずに着地する。
「よかったー、身軽な方で。」
出口を出てすぐ、割った木片を1つだけ手にとって部屋の方に投げつけると、そのまま真上に飛んだ。要は、天井に張り付いた。とっつきやすいパイプが天井一面に張り巡らされていたのが幸いしたらしい。
『あいつが戻ってくる前に作戦を立てた方がいい。どこかに隠れるぞ。』
「うん。今は絶対人間の姿に戻らないでね。」
『おう。』
とりあえず手近な路地裏に入る。
「なんていうか、どっかの街みたいな感じだよね。」
『そうだな。ここ、地下だよな…?』
「…うん。そのはず。」
どこかの街を再現したかのような道、張り紙、そして。
「…血。」
『あちこちに飛び散ってるな…」
「壁に何か書いてある。」
ここにはフロアごとに似つかわしい者たちがいる。
その者は自分のフロア以外からは出ていけない規則がある。
そのフロアのモノに殺されたくなければ、別のフロアへ上がるほかない。"
「ま、死武専の情報通りっちゃそうだけど。」
『…別の階の奴から殺りに行くか?』
「うーん、ありだね。資料を見た限り、一番厄介そうなのがアイザック・フォスターっぽいし…」
『だとすると、目的はEV管理室だな。』
「おっけー、案内よろしく。」
『おう。』