Bouquet Of A Lily bell
□ちゃんと武器を置いて。
2ページ/3ページ
場所は変わり、クラリネス王国。
無事に夜会を終え、ゼン殿下一行はクラリネス王国へと帰っていった。…私たちを連れて。
「傷の具合はどうですか?」
「問題ないですよ、白雪どの。」
自分を庇ってできた傷だからか、彼女は定期的に私のところにやってきて、傷の具合をチェックする。毎度問題ないと返答するが、白雪どのの顔は毎回煮え切らないようだった。
「クラリネスはどうですか?」
「ああ…今日城下に行く予定です。昨日は城を案内してもらっていたので。」
治療のため服を脱ぐからか、この時いつもモンドはいない。私としてはモンドに裸を見られるよりも白雪どのと2人きりにされる方が気まずいので居てくれて構わないのだが。
「明々後日ですよね、お帰りは。」
「ええ。」
「明々後日と言わず、傷が癒えるまでいていいぞ、三日月どの。」
「!」
包帯を巻き終え服を着ていると、窓からゼン殿下がひょっこり現れた。
「まだちゃんと礼を言ってなかったと思ってな。…白雪を守ってくれてありがとう。」
「私からも…!本当にありがとうございました!」
「え、良いんですよそんな…」
「礼も兼ねて、城下を案内したいんだが。」
「い、いえそんな。殿下に案内して頂くなんて滅相もない。」
「ほう、俺では役不足か?なら白雪もつけよう。」
「違います、そういう訳では……!」
助けてモンド。
私はこういう、社交的なものは慣れてない。
なんて言って断ればいい??
「それは本当ですか、ゼン殿下。」
「ああ、モンドどの。」
「…いや、お前もグルか。」
つい溢れたツッコミが聞こえたのか、白雪どのはクスリと笑っていた。