episode 2
□出逢い
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ポケモン協会からの通達によれば、なぜか今年から制度が変わったらしく、
決勝戦で勝った者がチャンピオン、というものではなく、
その決勝戦で勝った者が、前年度のチャンピオンに勝利する事で初めてチャンピオンになる、というのだ。
つまり、ライトが負けるまで世代交代がないという事になる。
だがしかし、ポケモンリーグともなれば一大イベントであり、テレビでももちろん放映される。
そんな公のものにうっかり写りでもしたら、一瞬でレッド達に見つかってしまう。
(…あーあ、どうしよう。)
ここ最近は、ずっとそればかりに頭を抱えていた。
(…行かねぇ訳にもいかねぇしなあ…)
そんな事を考えながら、
とりあえず洞窟から出て、街に向かう。
「くそっ!シルバー‼」
「…?」
と、近くに誰かいるようだ。
今ライトが生活している洞窟は、ヒワダタウンという街の近くにある山の中で、リングマなどの凶暴なポケモンが生息している。
ゆえに、人があまり立ち入らないと聞いていたのだが。
「…うわ。」
陰から様子を伺ってみれば、
小さい女の子が1人と、少し年下ぐらいと思われる男の子が2人。
リングマとヒメグマ相手に、手こずっているようだ。
しょうがないから、
助けに入るか…と、ボールを手にする。
だが、…やめた。
前髪が爆発した帽子の男の子が、何やらキューを取り出したからだ。
そのキューでボールを、打っている。
その打たれたボールは、
転がっているもう一つのボールを見事に弾くと、2人の男の子の手にそれぞれ帰ってくる。
(おぉ…すげえ。)
そのボールで男の子2人は見事にリングマとヒメグマを捕獲し、
山を降りて行った。