episode 2
□必然…?
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ーーー。「一体どういう事なんです、理事!」
「…何がだね?」
「カントー・ジョウト地区のチャンピオンのライトだけじゃなく、ジムリーダーを全員召集するやなんて!」
ジョウト地方、響く声はコガネ弁だ。
「まあ、そう大きな声を出すな。」
そのコガネ弁に対する男は、まるめた髪の毛をとってつけたかのようなユニークな髪型をしている、ポケモン協会の理事だった。
「っていうかあれですよ?ライトはチャンピオンになってから滅多に人前に現れんようになったレア者でっせ?」
そして先程からコガネ弁を繰り広げているのは、ポケモン転送システムを展開させているマサキという男だ。
「こんな召集…来るとは思えませんがな。」
「まあ…確かに。現チャンピオンであるライト君は、その座に君臨するもその椅子には素直に座ってくれなかった。」
「3年前…表彰の後すぐに姿を消してもーたきり、姿を見た者はいないと言われるほど。リーグ前、
少しだけ行動を共にしていたレッド達でさえ見つけられへんのですよ?」
と、嘆いているその時だ。
コンコン、と部屋をノックする音が聞こえた。
「…確かに見つけられないと思っていた。だが、それは要らぬ心配だった。 入りたまえ!」
キィ…、と控えめに扉が開いたと思いきや、
「ちょっ、グリーン!離せ‼」
と、途端に男の子の叫び声が聞こえてきた。
「待っていたよ、トキワジム新ジムリーダー、グリーン君。」
「…。」
理事からかけられた言葉を華麗にスルーし、部屋の奥に入って行くグリーンの後ろには、ライトを肩に担いだハッサムがいる。
「え…」
「それから、現チャンピオン、ライトくん。待っていたよ、本当に。」
「いや待ってたじゃねーよこの状況見ろや!どう見たって拉致られてるようにしか見えねえだろうが⁉」
ハッサムの肩でジタバタと暴れて見せるが、全く効果はないらしい。
「ライト…⁉」
「! …あ、マサキ…か?」
「そうや!覚えてくれとったんやな!」
そのマサキの言葉に、ライトは少しだけ考えて言い放つ。
「…うん覚えてた!だからお願い助けて?!」
「それは無理」
「…」