呪われた少女はアクマを救う! 休止

□☆親友との再開☆
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深夜。

寂れた英国の街中をゆったりと歩く一人の少女の姿があった。
少女の名前は水無月 琥珀。
エクソシストである。
そんな彼女は今現在、“黒の教団本部”と言われる場所に向かっていた。

そこでの“約束”を果たすために、歩き続けていた。


琥珀「…はぁ。にしても静かな街だな、本当。」
琥珀は静かな街の中、つまらなさそうに呟く。
ここには、カジノも酒場も無いのであろう。どこも明かりは消えており、音といえば、時折獣の声がするだけだ。
琥珀はそれを聞きながら、ふとある少年のことを思い浮かべた。
…その少年とは、琥珀と同じクロス元帥の弟子をやっていたアレン・ウォーカーである。
琥珀「…元気にしてるかなぁ…」
そう呟くと、ふと横から鳴き声がきこえた。
「きゅぅ…」
琥珀の相棒として10年以上共にいる愛フェレットの“マオ”だ。
琥珀「ん…お腹空いた?」
琥珀はフードから顔を覗かせたマオの頭を指で優しく撫でると、ズボンのポケットから小さなビスケットを取り出した。
マオ「きゅ!」
マオはそれを咥えると、フードの中に入ってしまった。
うなじの部分でカリカリとビスケットをかじるマオに愛しさを感じながら、琥珀はくすりと笑う。
琥珀「あはは、誰も取らないよ。ゆっくりお食べ。」

マオ「きゅ…」
一時するとマオが出てきた。
お腹が減っているのか…まだ食べ足りない様子だ。
琥珀はそんなマオに気付くと、優しく微笑んだ。
琥珀「…そっか。…夜ご飯早かったもんね。じゃあ、少し休憩とろっか。」
琥珀はそう言うと、近くにあったベンチに座った。



そこでマオにビスケットをあげながら、ふと空を見上げた。
空は藍色で満天の星空である。
そんな空を仰ぎながら、琥珀は小さく溜息をつく。
琥珀「…あと少しで教団か…。」
琥珀は膝の上でビスケットを貪るマオを撫でると、ゆっくりと瞳を閉じた。
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