神と化け物と神童と。

□☆序☆
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四月の初め。
最玉県の中央に位置するココ、楢鹿市の駅は人で溢れかえっていた。
見渡す限りの人、人、人だ。

ーザッ。
だが、そんな人で溢れかえる駅前の通りを、スケートボードで颯爽と通り過ぎる一人の少女の姿があった。
「7時45分…か。」
少女は真新しい制服に身を包み、腕時計をチラチラと確認しながら地面を蹴っている。…どうやら時間を気にしているようだ。
ガタンッ。
少女は深く溜息をつくと、車道に出た。同時にスピードもあげる。

「…あは、初日から遅刻…かな。」
不安気に呟く少女。
ーーいや…だって、まさか初日から寝坊するなんて思ってなかったし?
てか何でこういう時に限って起きないんだって話よ。本当吃驚したし。
…とりあえず、急いで行かないと。

少女は今まで腰に巻いていた羽織りを着ると、目に巻いていた布もキツく結び直した。よし、と呟きながら更にスピードを上げる。
「…楽しみだなぁ。」
柔らかく笑む少女。
ーしかし、その笑顔は次第に冷たいモノへと変わった。
ニヤリと不敵に笑む彼女には、もう幼さなど何処にも残っていない。
「…待ってろよ、“殺”。」
少女は口の端を吊り上げて笑うと、ボソリと呟いた。
「絶対に復讐してやるから。」
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