神と化け物と神童と。

□☆ルームメイト☆
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あれから何とか糾未を引っぺがして元の場所に寝かせた琥珀は、日向に連れられて206号室に来ていた。
琥珀「…」
もう時間も遅いので、布団に入ろうという事になったのだが…。…でも、これは何かおかしい気がする。
琥珀は背中に程よい温もりを感じながらそう思った。
そう。他にソファーもないという事で、琥珀は強制的に日向と同じベッドに寝る事になったのだ。

琥珀「…あの…日向くん。」
日向「…何だよ。」
琥珀「その…僕、床で寝ますよ?」
日向「風邪引くぞ。」
琥珀「うっ…それは嫌です…」
ーーでも…これじゃ緊張して寝れない気がするんだけどな…。
…うん。
今夜は寝不足決定かも。

はぁっと小さく溜息をつくと、突然後ろから抱き締められた。
琥珀「!?」
驚きのあまり言葉を失う。
すると日向は、琥珀のうなじ部分に顔を埋めて言った。
日向「明日も早いんだからさっさと寝るぞ。…後、寒ぃから離れんな。」
琥珀「…はい。」
琥珀は腰に回された日向の手にそっと自分の手を重ねる。
日向「!」
琥珀「おやすみなさい、日向くん。…良い夢を。」
目を閉じ、優しく囁くと日向は少し嬉しそうな声で言った。
日向「…おう、おやすみ。」


ー次の日の早朝。

誰よりも早く目が覚めた琥珀は、静かに自分の部屋に戻り既に支度を済ませていた。
急いで制服に着替え、洗顔をすませる。そして早めに教室に向かおうと、玄関で靴を履いていると…。
「あれっ…もう出るの?」
と眠たそうな声が聞こえてきた。
…糾未だ。

琥珀は糾未の方に振り返って「えぇ」と短く答える。
琥珀「…それと…あなたに言っておきたい事があります。…金輪際僕に近付かないで頂けますか?」
糾未「…え?」
琥珀「別に難しい事ではありませんよ。床に線を引いておきましたので、そこから僕側に入ってこなければいい事です。…ね?簡単でしょう?」
明らかに怒っている琥珀に、糾未はポカンと口を開けている。どうやら昨晩の記憶は全く無いらしい。
糾未「え?えっ俺何かした!?」
琥珀「…では、僕は行く所があるのでこれで失礼します。」
糾未「ちょ!琥珀まっ…!!」

バタン!!

勢い良く閉められた扉。
糾未は琥珀の去りゆく足音を聞きながら床に両膝をついた。
糾未「おいおい…知らない間に俺は一体何をやらかしっちゃったのよ…」



ルームメイト
(その日蝕は来なかった)


【本日 雨天中止】

生徒数:108名
死亡者数(自殺者):3名
生存者数:105名
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