jealousy










最初の頃は、怒られる理由が分からなかった。



ブルマんち行っただけで、なんでかすげー怒られて、変態とまで言われたっけな、はは。



ブルマさんのとこ行くなら、はっきりそう言って出かければいいべ!?、って。

修行しに行くって言ってたくせに、嘘つき、とか。

隠れて会うなんて、最低だ、とか、まー色々と凄い剣幕でまくし立てられた。



いや、たまたま近く通ったから寄っただけだ、って言っても、嘘つきの一点張りで参った。



なーんでブルマんとこ寄るのがそんなに悪いことなんか、全然わかんなくて、さすがにお手上げだった。



そのことをクリリンに話したら、それはヤキモチだって教えられた。

なんだそれ、って、焼いた餅かと聞いたら、チチさんが可哀想だ、ってため息つかれた。



だけど、チチと生活するようになって、どんどん色々なことを知っていったうえで、その感情も理解できるようになった。



チチが他の男と話すだけで、胸の奥がざわついて、訳の分からない苛立ちで体が支配された。

きっと触れたりなんかしたら、その男を殺っちまうだろーな、なんて。

基地外みたいな自分を知った。



きっとこれが、あの時、聞いたヤキモチっていうもんなんだろう、と直感で理解できた。



それでも、やっぱりブルマに世話になることはたくさんあって、チチに悪いと思いながらもカプセルコーポレーションには足を運んだ。



そのたびに、チチはムスッとしてしばらく口を聞いてくれなくなる。

最初は必死で謝ってたけど、しばらくして気づいた。



嫉妬してる時のチチ、なんかすげー可愛いなー、って。



そう思ったら、嫉妬されることに優越感さえ覚えた。



それから自分の中の欲望は止まらなくなって。



今日も、修行帰りにブルマんちに寄った。

用もないのに。

ただ自分の欲望を満たす口実を作るためだけに。



─────────────────



「もう悟空さなんか知らねーだ」



ああ、この顔好きだな。
ツンてした横顔に、少し膨れたほっぺたが、可愛いんだよなー。



「そんな怒んなよー、チチー」



とかなんとか言いながら、もっと怒らせて困らせてーなー、とも思う自分がいて。

とんだ変態だな、って、内心おかしくて吹き出しそうになるのを必死にこらえた。



「ブルマんとこ行ったら駄目なんかー?」



「別に行きたいなら好きなだけ行けばいいだよ!勝手にすればいいべ!!!」



あー、すげー怒ってんなー。

まぁ、わざとこうなるように仕向けたんだし、別にいいんだけどさ。



「いっそのこと、悟空さは、ブルマさんと結婚すれば良かっただな!」



「なんで?」



「そしたら毎日一緒にいられて幸せだべ!?」



「ふーん、チチはそんなふうに思ってんだなー、でもよー」



「なんだべ!」



「おらとブルマが結婚したらさー、」



カリカリしながら忙しなく洗い物をするチチを後ろから抱き締めた、ら、邪魔だべ、って、冷たくあしらわれた。

腕の中から抜け出そうとよじる華奢な身体が、無駄な抵抗すぎて、笑える。



「おらがブルマにこんなことしても良いってことになるよな?」



いいのか?ってからかうように耳元で呟いたら、さすがに洗い物をする手が止まった。

と思ったら、またすぐにその手は忙しなく動きだして、好きにしたらいいべ、って呟く。

まー、本当に素直じゃねーなー。
嫌なくせに。



「そっかー、じゃあこんなこともしていいってか?」



耳障りな水の音を止めて、こっち向かせてキスした。



「な!いいいきなり、ななななにするだ!」



って、ビンタを振り落とされそうになるのを寸前で阻止して、な?いいのか?って管轄いれずに聞いた。



そしたら怒ってんのか照れてんのか、よく分かんねーけど、顔を真っ赤にして睨まれて。

最近ずっとスーパーサイヤ人の状態でいるからか?

慣れたはずのもんも、こんだけ長時間やり続けてっと、やっぱ上手くコントロールできなくなんだな。

ちょっとした仕草とか表情一つで、なんか色々なもんが噴き出しそうになっちまう。



(あー、もう早くヤリてーなー)



押し寄せてくる欲望を押し殺して、何も答えないチチに、しつこいくらいに、なー?いいんか?って聞いたら、────勝手にすればいい、と目をそらされた。



強気な言葉とは裏腹に、絞り出すような声は震えてて。

もうこの時点で結構やべー。

この場に押し倒して
なにがなんだか分かんねーくらいに、めちゃくちゃにしてーなー。



「そっか、じゃあ今度やってみっか」



「───…え、」



「ん?どうした?」



「ど、どうしたって…悟空さ、自分が何言ってるか分かってるだか……?」



「だってお前が言ったんだろ、好きにしろって」



「それは……言った、けど、」



「けど?なんだよ」



「も、もういいだよ!悟空さなんか知らねーだ!」



またその台詞。

いつもならここで謝るとこだけど、今日はそんなことするつもりはない。

まだ、もう少し、焦らして、追いつめて、それから──────。



「そっか、じゃあまた出かけてくる」



じゃあな、って背を向けようとしたら、服の袖とかキュッて摘んできて、俯きながら、どこ行くだよ、って。



「………またブルマさんとこ行くだか?」



今にも泣き出しそうな顔で、目に涙いっぱいためて見上げてくるもんだから、もう我慢なんて出来ねーよ?



「んー、どうすっかなー、行こっかなー」



言いながら白い首筋に舌を這わせたら、嫌!、って消え入りそうな声が耳に響く。



「おめーが嫌なら、違う奴としてくっかなー、もう我慢できねーし」



おでこ引っ付けて、すげー至近距離から見つめて言ったら、これでもかってくらい顔真っ赤に染めて、堪えてた涙こぼして、ダメ!、って鳴く。



あーもう可愛すぎて、どうにかなりそうで。



息もつかせないくらいにキスして、唇噛んで、欲望からませたら、チチが自分から首もとに腕を回してきて、なんかがぶっ飛びそうになった。

息苦しく漏れる吐息に、こっちは心臓がありえないくらいにドクドクなって、色んなもん持ってかれる寸前で。

唇はなして、妬いたか?、って笑ったら、少し口ごもって、馬鹿、って言って、すげーヤらしくキスされた、ら、もー限界。



押し倒す場所なんてどこでもよくて、気付いたら夢中で服を脱がせてた。



時々、ビリッて服が乱暴に裂ける音がしたけど、それさえも抑えきれない欲望にのっかるようにして、興奮を高まらせた。



柔らかい胸に手を滑らせたら、それだけでキンとした、甘くて高い声が響き渡る。



そんなの聞き慣れたはずなのに、もう、頭がぐわんぐわんして、我を忘れそうになる。

それでも、もっと、もっと泣かせたい、なんて。

本当どうかしちまったのかと本気で思った。



「あー、もしアイツと結婚してたら、おめぇとはこんなことできなかったんだよなー」



なんてクソみたいな台詞を吐きながら、髪をなでたら、虚ろな瞳で見つめられた。

それが妙に淫らに見えて、胸の奥がズグンて波打ったと同時に、細くて白い腕に引き寄せられて、



「悟空さは、おらのもんだ」



なんて、囁くように色っぽく言ったかと思ったら、大胆にキスまでしてきて、こんなことされたら、もう理性もクソもあったもんじゃない。

どうやったって逃げられないように両腕を押さえつけて、貪るように食い荒らした。

あんなふうに駆け引きしたからか、今まで見たことないチチを何度も見た。

いつも恥ずかしくて、すぐ顔を隠すくせに、紅色に頬を染めながら、恥ずかしいくせして、ずっとそらさずに見てくるから、思考回路が上手くまわらなくなってきて。

あんま見んなよ、って笑ったら、好き、って、答えになってない応えが返ってきた。



そんなこと言われて、正気でいられる奴なんかいんのか?



「もー、お前さー、どうしてくれんの?」



困ったように笑ってみせたら、好きなようにして、って言いながら、深く深くキスをされて。



「後悔すんなよ」



完全にぶっ飛んだ頭で囁いて、躊躇なく突き上げた。



泣きながら、喘ぎ続ける彼女を見て、狂わせて壊す快楽を知った。




嫉妬という、醜い感情に狂った女は
この世で一番美しい。



(あー、やべー、はまりそう。)






end.
























[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ