.+short dream+.

□大型犬彼氏。
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「満奈っち〜!」

今、耳が見えた。

間違いない。

コイツは大型わんこだ。

「シバくぞ黄瀬!!」

部活中にもかかわらず、あたしに抱き着いて来たわんここと、黄瀬凉太。

そんな彼に、笠松先輩のキックが炸裂した。

「もうシバいてるっス!!」

「部活中だぞ! イチャコラついてんじゃねぇ!!」

「だって満奈っち可愛いんスもん!!」

「あたしのせいですか!?」



「あと1分!」

熱気のこもる体育館に響くあたしの声。

ドリブル音とバッシュのスキール音が心地いい。

そんな中、

――ガコンッ

涼太がダンクを決めた。

――ピピーッ

そこでゲームは終了。

練習が終わった。

マネージャーの最後の仕事に取りかかる。

「笠松先輩、どうぞ」

「あぁ、サンキュー」

タオルとドリンクを渡す。

女の子苦手でも、あたしには普通に接してくれる笠松先輩。

「森山先輩、どうぞ」

「ありがとう、満奈ちゃん。 今日も可愛いね」

「あはははは…」

残念なイケメン、森山先輩。

こんなあたしに声かけるなんて…どうかしてるぜ!!

「この後、俺とデートしない?」

「えっ!?」

森山先輩がそう言った時だった。

「ちょっ、先輩!! 何俺の満奈っち口説いてるんスか!!」

後ろから抱き締められた。

口調とこの腕、匂いから涼太だって分かる。

「ってか満奈っち、俺にもタオルとドリンクちょーだい??」

うっ…しっぽ振ってやがる!!

可愛いなおい!!

「待ってね涼太。 まだ小堀先輩と早川先輩に渡してないから」

彼女とは言え、やっぱり上下関係ははっきりさせないと…ね。

そう言うと、

「ちぇー」

涼太は口を尖らせた。

…あたしが悪いの!?

と、思ったら、

「隙有りっス!!」

――チュッ

唇に柔らかい感触。

あたし…何でこんなに人いる中でキスされてるの!?

「あぁー!! 俺の満奈ちゃんに!!」

…森山先輩、いつあたしは貴方のモノになったんですか。

「こ(ら)ぁ、黄瀬ぇ! ここでいちゃいちゃす(る)なぁ!!」

早川先輩がうるさい。

ってか、早口でラ行はっきりしないとか、暗号言ってるよね絶対。

「へへっ、しちゃったっス♡」

何がへへっ、だよ!!

「黄瀬ぇ…シバいてやる!!」

――ゲシッ

また笠松先輩のキックが炸裂!!

「だからもうシバいてるっスよ〜!!」

「こんなところで、きききききっ、キス…なんかするなぁ!!」

あらま、先輩の顔赤くなってる。

「だって、満奈っち可愛いんスもん!!」

そう言って涼太は、

――ペロッ

「ひゃあ!?」

あたしの背中に抱きつき、耳を舐めた。

何考えてんのコイツは!?

「はぁー…。 満奈!」

「はいっ」

笠松先輩が、

「その大型犬、ちゃんとしつけしろ」

呆れ顔を見せました。

「黄瀬ぇ…」

「はいっス」

「グランド100周して来い!!」

「えぇっ!?」




大型犬彼氏。

.+end+.


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