妖怪の宮

□第壱話
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九州某県

山の深くに聳える一軒の日本家屋。 

築数年と思わせるような手入れの行き届きように一瞬、


此処が山の中だということを忘れそうになる。



まあその日本家屋を見たと言う者はいないので、本当かどうかは定かではない。


きっと常人ではたどり着くことはできないだろう。





人ならざる者にしかたどり着けない場所。







その家の広大な庭で

「姫、四国八十八鬼夜行が倒れました。」


「倒したのは関東任侠妖怪総元締 奴良組とのことでございます。」




「奴良組…………そう。 今は若頭がいるのよね。」




「えぇ、貴女の恩人の息子ですよ」





「そう……じゃあ私は恩を返しに行きますか!」



姫と呼ばれる着物姿の女。




その横に控える着物姿の男二人。



姫と呼ばれているだけあって女の着物は男二人の着物より些か豪華な印象を持つ。
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