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□何となく書いてみた
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はじまりは一本の電話。
「………あぁ。了解した」
男は携帯電話をしまい込む。
「次のお仕事にゃ?」
「みたいだ」
ベッドに横たわる裸の女性は首を傾げて聞いてみる。場所はどこかと。
男は言う。
「日本だ。日本の」
聞かされた地名は聞き覚えがある。いやと言うほどに。
「げっ」
「つくづく縁があるな。俺たちは」
「うぅぅ急に持病がぁぁ…。だからパス」
女はシーツにくるまった。しかし男は気にした様子も見せず、コーヒーカップに湯を注ぐ。
少しは気にしてと言わんばかりの女は何度も彼を見る。見るが、男はカップに口を添えるだけだ。
「お前も行くに決まってるだろ、とか言ってよ! バカみたいじゃない!」
「バカだろ、実際」
「ニャアアアアッ!」
ベッドに転がり叫ぶ女。だからバカと呼ばれることを自覚しているのか。
仕方なく、テイクツー。
「お前も行くに決まってるだろ」
「心の準備ができてないっ」
「じゃあ来なくていい」
「ニャアアアアッ!」
結局、同じだった。
意を決した女はベッドのスプリングを使って立ち上がる。シーツはマントのように。ちなみに、もう一度言うが彼女は全裸である。
「まる見えだぞ」
「見せてるの…じゃなくて、私も行く。行ってやるにゃ!!」
あぁそうかい、といい加減に相づちを打つ。
「でも、あそこってホントに色んなヤツが集まるにゃ…」
「意図的なのか偶然なのか。まぁなんでもいい。俺たちの目的は決まっている」
任務遂行。人類のために。
「それで、内容は?」
「『聖母の微笑』を持つ少女、アーシア・アルジェントの保護だ」
「うにゃ…また面倒な」
何物でも癒やすことのできる神器だ。どの陣営も欲しているだろう。
優しさ故悪魔を治療したことで魔女と称された少女。その少女の保護が、二人の仕事。これは人類のため。
「さっきまで魔界の切り裂きジャクとかいうやつをボコってきたばっかにゃぁ…」
背中からベッドに沈む。
「いつ日本に向かうにゃ」
「今日の深夜。あと六時間ほどだ」
「じゃあそれまで…もうワンラウンド、しよ?」
湯気だったカップを持って椅子にもたれ掛かる男は首を落とす。そして固まる。
女は呼び掛ける。一度、二度……三度。
「寝たふりチェストォォッ」
飛び蹴りが放たれた。
放物線を描くコーヒーカップ。中身のコーヒーはもちろん飛び散る。高級ホテルなのになんてことを。
頭を床に打ちつけた男は呻き、跨ぐ女は舌なめずりを。
「にゅふふ…」
「っ、離せ…!」
離せと言われて離す彼女ではない。
彼としては前途多難。こんなことで無事任務を達成できるのか。
「いただきます」
「く、そっ…!」
こんな二人だが腕は立つ。なんせ同業者の中では上位を誇るのだから。
「起きろ――セイクリッド・ギア!」
「にゃ」
悪魔陣営。
堕天使陣営。
天界陣営。
三大陣営の海面下、様々な小組織が存在する中で、さらにその下、彼らに対抗すべくため作られた人間の人間による人間のための陣営があることを、あなたは知っているか?
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