トランプの世界

□一話
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「ねぇ…もしかして・・・・・」

「いやぁ…できるだけ僕はそうでないことを願うけど・・・・・。」

「・・・・・。」


それぞれが違う想いを持ちながらキングの言葉を待つ。
するとキングはようやく口を動かした。


「時が・・・・・満ちた。」




*1時間前*


〜久しぶりだな、キング。〜

「!・・・・・ジョーカー。」


それは急にだった。
静かに自分の部屋で読書をしていると頭の中に声が響いた。
優しい男性の声だ。

ジョーカーと呼ばれた男性は言葉を続ける。


〜そうだ。
 いきなりだが・・・・・ゲームをしないか?〜

「・・・・・ゲーム?」


キングは眉間にしわを寄せる。
それが予想ついたのか、それともどこかで見ていたのかジョーカーはけらけら笑いだした。


〜簡単なことだ。
 お前たちも知ってると思うが…この国に反逆者がいることは知っているだろう?〜

「・・・・・アリス…?」


キングがそう言うとジョーカーは短く「あぁ」と答えた。


〜この国はいわば弱肉強食だ。
 戦争に勝った地域がその地域を奪い取る…いつになったらその戦争がなくなるんだろうな?〜

「・・・・・私たちが消えるまで…なくなりはしない。
 私も・・・・・ジョーカーも同じくね…」

〜そうだな・・・・・しかし、今そこには反逆者という邪魔な地域もある。
 だから…戦争を早く終わらせるためにお前たちが力を合わせ…その反逆者どもを倒せ。

 倒した者の地域がこの国の指導者にしようと思う。〜

「・・・・・そう。」

〜そう言う訳だ。
 アイツらにも伝えておいてくれ。〜

「・・・・・わかった。」














*現在*


「とのこと。」


キングが立ちあがってそう言うとクイーンは手をわなわな震わせていた。


「ちょ、ちょちょちょ…ちょ、待ちなさいよ…そ、それって・・・・・」

「なに?」


バンッと勢いよくクイーンが机を叩いた。


「アタシがこのバカと手組めってこと!?」

「僕はクイーンより頭いいよ〜」


ギロッとジャックを睨んでからまたキングを見る。
キングはキョトンとした後頷く。


「あー!!もうこの国は終わりよ!!
 こんなバカと手を組んだら地域だけじゃない!国もダメになるわ!!」

「いや、だから僕君よりは頭いいから。」

「お黙り、おチビ!!」


そんな言い合いをしているなかキングはエースを見た。
何か考え込んでいるようだ。


「エース・・・・・どうかした…?」

「ん?・・・・・いや…よくよく考えればお前の地域以外行方不明者が出ているんだ。」

「行方不明者?」

「あぁ、あわせて三人…アリスの人数も話を聞くと三人だそうだ。
 ってことは・・・・・」


エースが今まで言い合いをしていた二人を見た。
それを聞いてクイーンはゆっくりと口元に弧を描く。
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