トランプの世界
□一話
4ページ/5ページ
「ねぇ…もしかして・・・・・」
「いやぁ…できるだけ僕はそうでないことを願うけど・・・・・。」
「・・・・・。」
それぞれが違う想いを持ちながらキングの言葉を待つ。
するとキングはようやく口を動かした。
「時が・・・・・満ちた。」
*1時間前*
〜久しぶりだな、キング。〜
「!・・・・・ジョーカー。」
それは急にだった。
静かに自分の部屋で読書をしていると頭の中に声が響いた。
優しい男性の声だ。
ジョーカーと呼ばれた男性は言葉を続ける。
〜そうだ。
いきなりだが・・・・・ゲームをしないか?〜
「・・・・・ゲーム?」
キングは眉間にしわを寄せる。
それが予想ついたのか、それともどこかで見ていたのかジョーカーはけらけら笑いだした。
〜簡単なことだ。
お前たちも知ってると思うが…この国に反逆者がいることは知っているだろう?〜
「・・・・・アリス…?」
キングがそう言うとジョーカーは短く「あぁ」と答えた。
〜この国はいわば弱肉強食だ。
戦争に勝った地域がその地域を奪い取る…いつになったらその戦争がなくなるんだろうな?〜
「・・・・・私たちが消えるまで…なくなりはしない。
私も・・・・・ジョーカーも同じくね…」
〜そうだな・・・・・しかし、今そこには反逆者という邪魔な地域もある。
だから…戦争を早く終わらせるためにお前たちが力を合わせ…その反逆者どもを倒せ。
倒した者の地域がこの国の指導者にしようと思う。〜
「・・・・・そう。」
〜そう言う訳だ。
アイツらにも伝えておいてくれ。〜
「・・・・・わかった。」
*現在*
「とのこと。」
キングが立ちあがってそう言うとクイーンは手をわなわな震わせていた。
「ちょ、ちょちょちょ…ちょ、待ちなさいよ…そ、それって・・・・・」
「なに?」
バンッと勢いよくクイーンが机を叩いた。
「アタシがこのバカと手組めってこと!?」
「僕はクイーンより頭いいよ〜」
ギロッとジャックを睨んでからまたキングを見る。
キングはキョトンとした後頷く。
「あー!!もうこの国は終わりよ!!
こんなバカと手を組んだら地域だけじゃない!国もダメになるわ!!」
「いや、だから僕君よりは頭いいから。」
「お黙り、おチビ!!」
そんな言い合いをしているなかキングはエースを見た。
何か考え込んでいるようだ。
「エース・・・・・どうかした…?」
「ん?・・・・・いや…よくよく考えればお前の地域以外行方不明者が出ているんだ。」
「行方不明者?」
「あぁ、あわせて三人…アリスの人数も話を聞くと三人だそうだ。
ってことは・・・・・」
エースが今まで言い合いをしていた二人を見た。
それを聞いてクイーンはゆっくりと口元に弧を描く。