トランプの世界

□二話
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ハートの国は忍者を作り上げ、影で殺す国家。
暗殺を得意としている。


「こうやって俺らを狙ってきたってわけは・・・」

「刺客か・・・。」


ガゼルが銃を構えた。


「反逆地域アリス・・・貴様ら四人には死んでもらおう。」

「そう簡単に死ぬと思うか?」

「抵抗しなければ、すぐにあの世に逝かせてやるよ。」


一人の忍びのにやりとした顔にソフィアはぞっとした。
そしてアルの服をぎゅうっと握る。

それに気付いたアルは一歩前に出てソフィアを後ろにした。


「さーて、どうしようかーガゼルちゃーん。」

「お前は殺されておけ。」

「ひでーなー」


ナイトメアがへらへらと笑う。


「―――行け。」


忍びの一人が指をパチンと鳴らすと三人の忍びは姿を消した。


「あー消えちゃったよ、どうしようガゼル君。」

「黙れ、聞こえねえ。」

「やーんつめたーいなー。
 俺に付き合ってよー」

「うるせえ。」

「ひーどいなー」


一筋の風がガゼルとナイトメアの後ろを通り過ぎる。


「死ね。」


そう短く聞こえた。


ドスッ

ズガンッ


その音を聞くと同時にソフィアは両目をつぶった。


どさりと二人の忍びが倒れる。
ナイトメアの首のすぐ横にガゼルの銃があり、
ガゼルの顎のすぐ下に影で作られた長く大きな針が伸びていた。


「眼を閉じちゃだめだよ、ソフィア。
 これが・・・」


アルが横に真っ直ぐクナイを投げつけた。


「俺達の罰だ。」


頬に何かがついた。
頬を手で触ると手には赤い液体がついていた。


ーあぁ…これは・・・・・


横に視線をずらすと心臓を刺された忍びが倒れていた。


ーこれが・・・血、だ――――。
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