短編

□涙の跡に
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家には・・・いない。

近くの店も、よく行く店にも居ない。

公園にも・・・どこにもいない。


港まで行くとそこにはナルト達がいた。


「お前達!」

「あーイルカ先生だってばよ!!」

「そんなに慌ててどうしたんですかー?」

「いや…ナツキ知らないか・・・?」

「ナツキ先生・・・?
 見てないです。」

「うげーでた!惚気ー!!」

「そ、そっか・・・」


アイツ・・・本当にどこ行ったんだ・・・。


「なんかしたんだろ。」

「え・・・。」


サスケを見れば溜息をつく。
子供にため息つかれたよ…


「傷つけて、泣かせて今探してるとこなんだろ。
 上忍だからどこにいるかわかんないもんな。」

「うっ・・・」

「とりあえず、俺達見つけたらイルカ先生が捜していたこと言っとくってばよ!」

「そうね。」

「そうか・・・ありがとうな。」


そう言って俺はその場から離れた。














里から大分離れたけど…いない。

どこにもいない・・・・・


「どこに行ったんだよ…ナツキ。」


木に八つ当たりして考えてる時だった。

川の音につられて声が聞こえる。
誰かの泣き声。


「・・・・・まさか。」


いそいで川の方までいって耳をすませる。
上流の方で声は聞こえた。


「・・・・・いるよな。」


いてくれ、強く願って走る。
ここまで必死に走るのはいつぶりだろうか?

こんなに胸が張り裂けそうなのは・・・いつぶりだろうか・・・?


「ひっく・・・ぐすっ・・・」

「ナツキっ!」

「!・・・イルカ・・・先生。」


木の上からナツキが俺に向かって降ってきた。
そのまま抱きとめて俺はその場に座り込む。


「良かった・・・なんともなくて・・・」

「イルカ先生・・・」


ぎゅっとナツキが俺を抱きしめる。
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