目で追う物語

□一話
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それはそれは暑い暑い日の


突然の出会いだった。


「動かないで。
 動いたら…殺すよ?」

「ひぃっ…!」


首元にはナイフ。
シンタローは片手に携帯を持ったまま情けない声を上げていた。


「ご主人、大丈夫ですか!?
 なんですか、これ!?新手の詐欺!!?」

「んなわけあるか!!」


携帯で飛び交う青がモチーフの少女ーエネがシンタローに話しかけていた。
とりあえず、この危険な状況を何とかしたい。


「な、なんだよお前!
 なんでこ、ここ…知ってんだ!」

「・・・・・。」


シンタローがそう問いかければふと男は笑う。


「さあ、ね?」

「!!?」


(さあねってお前…!!)


アジトで休んでいたらいきなり入ってきたこの男にナイフを当てられている。
今アジトには俺とマリーしかいない。

なんでコイツはここを知ってる?
つか、なんで俺殺されかけてるんだ?
メカクシ団って恨みを買うようなことしたのか!!?


頭が混乱してきた。


ガシャンッと音が聞こえた。
その方向を見ると緑のつなぎを着た男がいた。

知ってる。コイツは知ってる。
セトだ。


「え・・・・・?」

「セ、セト!!」


慌てて声を出す。
後ろの人間は相変わらず笑っている。何がおかしいんだよ。


「たす「ミカゲ―――!」へ?」

「ぶっ!!?」


セトがいきなり俺の後ろにいた男に抱きついた。
・・・・・ホモ!!?
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