目で追う物語

□五話
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俺がミカゲのとこについた時、
ミカゲは髪を引っ張られていた。


「ミカゲさん!」

「待てエネ!」


エネがキッと俺を睨む。


「我慢できません!!
 このままじゃ・・・」

「アイツらに隙ができてからの方がいい。
 だから・・・少しだけ待ってくれ・・・」


俺だって早く助けたい。


「つか、アイツのなにが良い訳?
 まあ、あんたにはお似合いだけど?」

「・・・・・?」


ミカゲが意味がわからないと言う顔をする。
俺も意味がわからない。

が、すぐにわかった。


「あんな赤ジャージきたやつ・・・引きこもりじゃないの?
 いかにも弱そうだしーカッコよくないしー
 頭も悪そう!!ずぅっと携帯の音楽でも聞いてるような男のなにがいいわけ?」


・・・・・俺のことですかーー!?
あぁ、傷ついた。

いや、俺もヒキニートなことくらい知ってるよ。
でもそこまでずたずた言われるとは・・・思ってもみなかった。

その時声が聞こえた。


「・・・な。」

「は?」


女がミカゲの髪を引っ張ってきく。
ギロリとミカゲは女を睨んだ。


「あの人のこと何も知らない癖に・・・
 アタシが大事にしてる人のこと悪く言うんじゃねえよ!!」


その言葉に俺の中の何かが切れた。
女がミカゲを殴ろうとした時


「何やってんだよ。」


びくっとした後、女たちは俺を見た。
ミカゲもぽけっとしている。

今だ。これで隙ができた。

俺は初めてだろう、ここまで本気で走ったのはと思うくらい
全力でミカゲのもとまで走った。
腕を強引にひいて女たちの元から離れる。


「あ!?ふざけんなおま・・・」

「エネ!!一発かましてやれ!」


「了解です。」


そうエネが答えた途端女たちの携帯がオーバーヒート。


「きゃあ!」

「あっつ!?」

「アタシのスマホが!!」


ざまあみろと心の中で呟き俺はミカゲの腕を引っ張って走った。
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