目で追う物語

□八話
1ページ/5ページ

「ねえ、お願いミカゲ!
 アタシの代わりに英語のテスト受けてー!」

「・・・・・なんで。」


朝一の言葉はこれだった。
シンタローを片手にモモはアタシに言う。

てか、なんだ?
シンタロー生きてる?大丈夫??


「だってミカゲ頭良いんでしょ?
 もう本当に色々とヤバイのー助けて!!」

「・・・・・アタシもう大分前から高校やめてるんだけど…」

「大丈夫だって!
 ね、お願い!!」

「うーん・・・」


まあ、楽しそうだから良いか・・・
学校なんて久々だしね。


「わかった、良いよ。
 ただし・・・」

「ただし・・・?」

「今度なんか買ってもらうからね。」


そう言ってアタシは外に出た。














モモの姿に化けてアタシは町を歩いていた。
一応パーカーの帽子もかぶる。

能力も使ってないから人は集まらない。
良かったよかった。


「おはようございまーす!」

「あ、あぁ…おはよう如月・・・」


目を丸くするおじいちゃん先生。
この人が英語の先生なのかな?


「今日は遅刻しないで来れたんだ・・・」

「え、あ、はい!」


いつも遅刻なのか・・・ははっ
まあ仕方がないよね・・・

そんなことを思いながら試験をする。


てかおい、これ・・・


「歴史じゃん・・・」




モモの嘘つきー!!



あとモモ悪いけど・・・
こんな簡単な問題できんのか!!?

なんだよこれ、めちゃくちゃ簡単だぞ!?

鎌倉幕府とか、関ヶ原とか・・・
普通年代わかるだろ!

そんなことを思いながら試験をやってると
あっという間に終わった。

解答用紙を見て先生は眼を丸くしていた。
・・・モモ・・・あんたいつもどんな解答してたんだ・・・。

















終わった、よし早く帰ろう。
靴をはいたその時だった。


「お、如月じゃねーか。」




ドクンッ


その声にアタシの心臓が大きく跳ねた。



なんで・・・どうして・・・


「お前今日は遅刻しなかったのかー?」


ゆっくり後ろを振り向けば
ケンジロー先生がいた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ