トランプの世界

□六話
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猫のオーラを感じたキラツネは嫌な汗をかいた。
しかし、すぐに顔を横に振り先程のように笑みを浮かべる。


「どういうトリックか知らないけど…今度はそうはいかないよ!!」


そう言うとパチンと指を鳴らした。
そこにはキラツネの周りにクナイと銃弾が現れていた。

それには全員が息をのむ。


「死ねえ!!」

「ソフィアっ!!」


ナイトメアの言葉にソフィアは振り返りにこりと笑った。


「大丈夫だよ。」


ただそう一言だけ。
そして前を向くと銃弾とクナイが迫る。


「グレン!」


両手を前に出しソフィアはキラツネ自身を睨みつけた。

その時後ろにいたからわかったのであろう。
ソフィアの後ろから何かが具現化したのを。

赤いオーラがソフィアの前に移動し、
半径6メートルほどドームのようなものを作ったのを。

そのオーラを流れるように銃弾やクナイは落ちていく。


「え・・・・・?」

「なにこれ・・・」


ナイトメアが疑問を口に出すとガゼルは鼻で笑った。


「成程な。
 コイツの能力は・・・"無効化"だな。」

「無効化・・・?」


アルがガゼルの方を見て言うとガゼルはソフィアを見ながら言った。


「アイツの能力は技のコピー・・・そして応用に、追跡型。
 しかし、コイツのは無効化だからそんなのすべて関係ねーんだ」

「そう、なのか・・・」


そうアルが納得していると、キラツネは肩を震わせていた。


「なんだよ…なんだよこれえ!!」


そう叫ぶとまたもや攻撃を仕掛ける。
何度も何度もオーラを流れていく武器。


「どうして・・・どうして!!
 ありえないよ…こんなのありえない!!

 私の能力が使えないなんてありえない!!」


そう狂ったように叫ぶとソフィアは隙を見つけた。
狂って叫んだように見えた時、一瞬オーラが歪んだことに。


「ナイトメア、あとお願い!!」

「なっ、待て、ソフィア!!」


そうナイトメアが止めたがソフィアはもうその場から離れていた。
オーラも消えていて、ナイトメアが壁をまた作り出す。


「アイツ・・・何する気だ・・・」


ガゼルがそう言うとソフィアは猫の刺青のある方の腕を横に伸ばした。
手の方に赤いオーラが集まる。

やがてそのオーラはソフィア手を覆った。


「やめろ・・・くるなあ!!」


キラツネがそう叫び武器を何度も当てようとするがどれもぶつかりはしなかった。
ただ、擦れはしたが。

前まで行きソフィアは腕を振り上げる。
そして




スパァンッ


乾いた音が草原に響いた。
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