トランプの世界

□七話
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三年後、俺は少女・・・ハートの王国の王女の王女直属幹部に認められた。
新しい制服に、初めて先輩や同僚に会うと言う緊張が入り混じっていた。

王女の部屋の目の前で深呼吸をする。


「・・・・・よし。」


そう言ってノックをし、王女の部屋に入った。


「アル、待っていたわ。」


そこにいたのは王女だった。
そしてもう一人。

金髪のまさに王子様みたいな雰囲気を持つ男性。
しかし、制服は一緒。


「あ、紹介するわアル!
 彼は・・・・・」

「レイ・ルクスと、申します。
 第四貴族のルクス家の長男です。」


そう言ってレイは笑う。
それに俺はつられて笑った。


「俺は「知ってますよ。」え?」


紹介しようとした時にレイが喋った。
知ってる?なにを??


「王女をたぶらかして王女直属についたドブネズミでしょう?」

「なっ!?」

「・・・・・たぶらかす?
 ドブネズミ??」


え、どういうこと?


「王女、貴女は間違っています。
 こんなどこの馬の骨か分からない男を側近につけるなんて・・・」

「アルを悪く言わないで頂戴!!
 アルは私の命の恩人なの、馬鹿にしないでくれません?」


そういって王女はそっぽを向いた。
はははとレイは笑う。


「そんな膨れて・・・可愛らしい。」

「なっ!ば、馬鹿にしないで下さる!?」


・・・・・二人の空間だなあ・・・と思いながら俺は二人を見ていた。
その視線に気づいてか王女は俺を見てはっとした。


「ごめんなさい、アル。
 レイもそんな悪い人ではないの…怒らないで上げて?」

「え?あ、はい、わかりました姫。」

「ひっ!?」

「貴様!無礼だぞ!!」

「はへ?」


な、何が?
え、姫様顔真っ赤だけど俺なんかした??


「この方は王女だ!!
 姫は王女の娘のことを言うのだぞ!!」

「え!そうなの!?」

「貴様、そんなことも知らないのか・・・!」


あ、俺なんか怒られてる。
どーしよー。


「王女!やはりこんな「いいわ。」え?」

「アル・・・」

「はい?」

「貴方だけに認めるわ。
 私は貴方の姫・・・いいわね?」

「なっ!?」

「?わかりました、姫。」


そう言って俺は笑っておいた。
その時レイに睨まれてたのは言うまでもないだろう。

それからが一番大変だった。
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