トランプの世界

□十一話
1ページ/4ページ

セシードは寝っ転がったままソフィア達を見た。


「あぁ、そう言えば礼を言ってなかったね。
 アルを仲間にしてくれてありがとう。」

「え?あ、うん…」

「君がいたからなんだね。」

「え?」


ソフィアが首をかしげると
セシードは優しく笑いかける。


「アルを救ってくれてありがとう。」

「え…いえ…その…」


嬉しいけど、なんだろうかこの気持ちは。
ずっともやもやしている。


「あの…貴方は…女ですか?」

「・・・・・。」


ソフィアの言葉にセシードはふふっと笑った。


「さあ、どうだろうね?」


そう、楽しそうに。


「・・・・・ぅ。」

「!アル!!!」


小さな声にソフィアは一早く気づき近寄る。
きょとんとした顔でアルはソフィアや周りを見た。


「あれ…俺どうし「やっと目が覚めたか。」!」


懐かしい声にアルは肩を一瞬震わせたが、
セシードの顔を見て明るくなる。


「セシード!!
 お前生きてたんだな!よかったあ…」

「よかったあ…ねえ?」


セシードの拳がアルの顔にヒットする。
その光景に皆が呆然とした。


「なにが良かっただボケ。
 逃がしてやったのになんだこれ、あ?ふざけてんのか??
 アラフォードに切られて…なんなのお前、昔の反射能力どこ行ったんだよおいこら。」


ぐりぐりとうつ伏せで倒れているアルの頭をふんずけるセシード。


「や、やめて!怪我人!!
 アルは怪我人だから!!」

「そ、そうですよセシードさん!!
 ふんずけないであげてください!!」


ソフィアとアラフォードが二人して慌ててセシードに言う。


「うん…君たちはとてもいい子だ。
 よくわかるよ。

 でもね…」


ぎろりとアルを睨みつけるセシード。


「お前が戻ってくるなんてありえないだろーが、このくそボケ。
 とうとう脳味噌も筋肉になったかおい?」

「「やめてええぇええ!!」」

「あはははっふへっひー!
 まじうける!!あはははははは!!」

「ナイトメアうるせえ…。」


密かに「痛いよー」という声が聞こえるが気にしないセシード。
二人がかりでセシードを押さえるとアルが起き上がり苦笑いしていた。


「だって、お前が死んでたら嫌だったから…
 親友が死んだら悲しいじゃんか。」

「・・・・・うっせー馬鹿。」


そう言ってセシードは試験官を投げつける。
アルの前で粉が舞った。


「痛い!!なにこれ!?
 目が痛い!!目が!目があぁああ!!」

「realム●カ―――!!
 ぶふぉww」


ナイトメアが大爆笑。
アルは転げまわっていた。


「玉ねぎエキスを混ぜた粉だよ。
 特製のね。あーすっきりした。」


そういうとセシードは地面に座りアリス組を見た。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ