短編

□涙の跡に
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「ねえ、イルカ先生。」


彼女は空を見つめながら言う。


「アタシは・・・家族に愛されていたのかな・・・?」


今は亡き、家族を思って―――










「イルカ!」

「!・・・なに?」


受付の奴が俺に声をかける。
なんかあったのか?


「なあ、俺彼女できたんだ!」

「へえ、良かったな!」


嬉しそうに笑う同僚。
そしてニヤニヤしながら俺の肩を抱く。


「で、お前の方は最近どうよ?」

「え・・・?」

「えって…ナツキさんのことだよ!
 最近進展はあるのか?」

「進展って…」


進展と言ってもなあ・・・


「普通に話して・・・普通にお付き合いしてるけど?」

「普通にお付き合いって…」

「色事沙汰はないのかよ…」

「い、いろ・・・!?」


顔を真っ赤にする。
そんなこと・・・


「あるわけないだろ!!」

「でーすよねー。」


へらへらと笑う同僚。
なんなんだ、もう!


「あんな色気むんむんのナツキさんにお前が手を出せる訳ないよなー
 あーなんでイルカなんだろうなー・・・
 上忍のカカシさんとかいるじゃん。」


ズキッと胸が痛む。


そうだ、俺達の間にはカカシさんがまだいる。
あの人は・・・彼女はまだカカシさんを気にしてるのだろうか
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