短編

□欺け、我が心!
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「ナツキ、大好き。」


僕がそう呟くと彼女であるナツキは目を丸くする。
それから視線を泳がせ、じとっと僕を睨みつけた。


「今欺いたでしょ。」

「いや?全然。」

「嘘つき。」

「嫌だなあ〜愛の告白を欺くバカがどこにいるの?」

「すぐそこよ、この猫目。」


そう言うとナツキは本に視線を落とす。
あーあ、バレちゃった…。

ナツキのところまで行って肩に手を置く。


「ねえ、なんでわかったの?」

「女の勘。」

「ははっ何それ!」


そう言って僕が欺かず笑うとふとナツキは笑った。

あ・・・・・。


「惚れたの?修哉。」

「っ!いきなり名前呼びはずるいでしょ…。」


そう言って僕はナツキを後ろから抱きしめる。

もう…可愛い。


「本当に…君って最高に面白いね。」

「あら、お褒めの言葉をありがとう。
 邪魔だからあっちでお菓子でも食べてなさいよ。」

「はいはーい。」


少しは構ってくれても良いじゃんか…。
なんか女々しくなってきたなあ。
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