目で追う物語

□一話
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「…誰お兄さん。」

「お兄さんじゃないよーお姉さんです。」

「・・・プッ」

「おいこらカノ。
 何笑ってんだ、おい。」


じとっと見るミカゲ。
メンバーが全員そろった。

ヒビヤも同じく男だと思ったらしい。
コノハも「へー」と口に出した。
少し驚いたような顔をしていた。


「いやあ相変わらずだなあ…ってぷぷぷ」

「…キド、殺っていいか?」

「いいぞ。」

「え"っ!?」


キドからの了承を得るミカゲ。
数秒間締めてミカゲはキドの隣に座った。


「さて、もう一度自己紹介しようかな。
 アタシはシークレットナンバー御影。
 団員にはミカゲって呼ばれてる。

 職業は情報屋。あーんなことやこーんなことも知ってるよ」


♪マークを飛ばして御影は微笑む。
また恐ろしいと思った。



「今までどこに行ってたんだ?」

「んー秘密ー♪」


にへへと笑ってミカゲはキドに言う。
キドは一つ溜息を吐くと優しく微笑んだ。

まるで母親のように。


「ミカゲさんの能力って何なんですか?」

「アタシの能力…?
 うーん…」


そう言って一度目をつぶり、目を開けるともう赤く染まっていた。
それに能力の知らない人間はぎょっとする。


「ふむふむ、なるほどぉ…」

「え?え??」

「如月桃、16歳。アイドルだね。
 メカクシ団5。
 変わったファッションが好きで、能力は引き寄せる感じかー。
 体重は「うわあぁああああ!!」あははっ」


モモが体重の所で叫ぶとミカゲは笑う。
「言わないよー」と言って手を横に振った。

モモは顔を真っ赤にして見ている。


「今の通り、アタシの能力は"見通す"能力。
 いわば"目で追う"って感じかな?
 過去も…少しね。」


ちらりとキドを見るとキドは俯いた。
ミカゲも苦笑いする。


「それで脅す事はないけどね。
 アタシはそこまで卑劣じゃないからー。」


にっと俺達に微笑むミカゲ。


「で、ミカゲちゃん。」


カノがソファに腰掛けたまま問いかける。


「なんか情報あったの?」


ニコニコしたまま問いかける。
それにミカゲは息を一つ吐き首を横に振った。


「全然。アタシがここに戻ってきたのは気休めみたいなもの。
 あと、お金集めに仕事するためだよ。」

「へーそうなんだ!」


カノがまたもやニコニコしたまま言った。
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