目で追う物語

□四話
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「じゃあ、ちょっと飲み物もってくるから・・・適当に座ってて。」

「うん。」


そういうとシンタローは一階に降りていく。
ここがシンタローの部屋かあ・・・。

結構殺風景。
で、なんか・・・いや、これは言わないでおこう。


「・・・あ。」


パソコンが起動されてる。
なんだろう?

エネちゃんがディスプレイでクルクルと回っている。


「ミカゲさん!
 そのヘッドフォンつけてそこの椅子座って下さい!!」

「?うん、わかった。」


言われた通りヘッドフォンをつけて座る。
流れてきたのはゆっくりめな音楽。
ボーカロイドであろう女の子の声が耳に響き、恋愛ソングのようなものが流れていた。

綺麗だなあ・・・。


「どうですか?」

「うん・・・アタシこういう感じの曲好き。」


そう言ってエネちゃんに笑いかけた。
するとエネちゃんは勝手にアプリを開き、何かをしだす。
その数秒後アタシのケータイがなった。

なんだろうと開くと"新しい曲をダウンロード"と書かれている。
これはまさか・・・

再生ボタンを押すと先程の曲が流れた。


「私からのプレゼントです!」


そう言ってエネちゃんは笑う。


「・・・ありがと。」

「飲み物コーラくらいしかないけど…」


サッ!!


「飲める?」

「うん、大丈夫!」


何事もなかったかのようにアタシは元の場所に座った。
エネちゃんも察してかパソコンの電源を切ってシンタローの携帯へと移っている。


「シンタローくん、いつもここで何してるの?」

「ん?・・・まあPCいじってるか、寝てるか・・・かな。」

「あとはちょっと秘蔵の画像をつk」


ぷつんとエネちゃんの声は途切れた。
電源を切ったらしい。


「?どうしたの?」

「いや、なんでもない。
 ミカゲは何してるんだ?」

「アタシ?」


シンタローの問いにアタシは少し悩む。
アタシ何やってるだろうか?


「偶にキドの手伝いとして洗濯とか、掃除とか・・・
 あとはゲームとか読書とかお昼寝かな?」

「どんなゲームするの?」

「PSPだよ。
 これ。」


と言って画面を見せるとシンタローはカバンを開いて一つカセットを見せた。
そのカセットはアタシのPSPに入っているものと同じだった。


「やる?」

「やる!」
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