目で追う物語

□六話
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「で、マリー。
 どこに行く?」

「う…人いっぱい・・・」

「マーリーチャーン」


話を聞いておくれよ、マリー・・・。
苦笑いしてマリーの手を握る。


「アタシがいるから大丈夫。
 デパートで良いかい?」

「うん。」


そういうとアタシ達はデパートに向かった。


「マリーこれどう?
 可愛いと思うんだけどー」

「うん、キドも気にいりそう」


ニコニコとしてマリーはカップを見る。
可愛いなあ・・・。

後ろを振り向くとマグカップがあった。
イラストが一つだけついてるシンプルなマグカップだ。


「あ・・・・・。」


黒ネコのマグカップ。
これはカノだなと思った。

黒い犬のマグカップ。
これはシンタロー。

ウサギはマリー。シマ猫がキド。
柴犬がモモちゃん。コノハは・・・白ネコ?
ヒビヤくんは・・・ワンコだな。
エネちゃんは青い鳥。セトは・・・蛙?

・・・・・ごめん、冗談。
この大きめの茶色の犬だな。

そんなことを思ってると小さく笑ってしまった。


「どうしたの?」

「あぁ、マリー」

「わあ、可愛い!」


マリーがアタシの前に来る。


「ねえ、これセトにぴったりじゃない?」


マリーが持っていたのは茶色の犬のマグカップ。
ふふっとアタシは笑う。


「そうだな。」

「いいなー買いたいなー」


目をキラキラさせるマリー。
予算は・・・ギリギリになるな。

仕方ない。


「自腹で行くか。」

「ん?なに??」

「なんでもないよ。
 どうせならマリーはうさぎさんの買って、アタシは・・・この虎の買おうかな。」


そう言ってアタシがとったのはミニキャラクターの虎。
一目ぼれだ。


「うん!可愛いねミカゲにぴったり!」

「そう?」

「うん!
 早く行こう!」


そう言ってマリーはかごにマグカップも一緒に入れ
アタシの腕を引っ張りながら会計へと走った。
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