目で追う物語

□七話
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どうやらミカゲがいなくなった時の夢を見たらしい。
懐かしいなあ・・・。

そういえばソファーよりも柔らかいな。
てか、僕いつの間に自分の部屋に・・・


周りを見渡す。


あれ?
僕の、部屋じゃない?

流石にこんな女の子らしい部屋じゃない。

でも、キドでもないだろう。
すぐわかるように女子感は出さない。

じゃあ、誰?


がちゃりとドアが開く。


「!・・・マリー?」

「カ、カノォ・・・」


震えている声。
まるで夢の僕みたいだ。


「どうしたの?」


いつものように欺く僕。


「あの、ね・・・」

「うん。」

「ミカゲが・・・どこかに行っちゃったの…」

「・・・・・!」


がばっと僕はベッドから降りる。
その勢いにマリーは肩を震わせた。


「私、残っててって言われて・・・
 それで・・・」

「・・・探してくる。
 みんなには言わなくていいから、残ってて。」

「カノ・・・」

「すぐ戻るから。」


そう言うと僕はアジトを出た。
どこにいる?どこにいった?

また、僕を置いて行くつもりなの?

そんなの・・・


「許さないからな・・・!」


想いが声に出る。
そのまま僕は一番目立つであろうデパートに向かった。

多分、高い場所から探せば見つかるだろう。

そう思い僕は急いでデパートに向かった。


足取りが走っても走っても遅く感じて焦る。
じれったくて、またいなくなるかもしれないという不安でいっぱいだった。


デパートにつきエレベーターのボタンを押す。


早く・・・早く!!


チーンッとエレベーターの到着音が耳に入る。
走って入ろうとすると


「うわっ!」

「・・・!?」


そこには目を丸くして僕を見るミカゲがいた。
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