目で追う物語
□八話
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「なんでキドがここにいんの・・・・・?」
「・・・・・。」
「キド?」
ぎゅっ
「いへっ!?」
急に頬をつねられる。
い、痛いっす!!
「キ、キド!;」
「わかってないとでも思ったのか。」
「っ!」
キドの声に肩を震わせる。
「・・・何年一緒に居ると思ってんだ。
会ったんだろう?」
「・・・・・うん。」
「・・・よく頑張ったな。」
そう言ってキドは一際強く抱きしめてくれた。
あぁ、もう・・・・・
「キド・・・」
「ん?」
「・・・つら、かった・・・」
「・・・ん。」
そう言ってキドの腕の中で泣いた。
「・・・・・。」
御影のことは大体わかっていた。
それに今日の帰ってきた状態を見てすぐわかった。
何か辛いことがあったことなんて。
「・・・僕には何もできないのか・・・」
小さく呟いて笑うと
「盗み聞きか?」
「っ!!」
ドアが開いてキドが顔を出す。
わ、わあ・・・;
「い、いや、そんなことは・・・あれミカゲは?」
「・・・寝てるよ。」
キドに言われ覗いてみるとキドの膝で寝ていた。
あらら・・・。
「よっぽど・・・辛かったんだろうな。」
「・・・・・うん。」
僕がしゃがんでミカゲの頭をなでる。
くすぐったそうに身じろぎをしたが起きる気配はなかった。
「・・・姉ちゃんがいたら・・・どうなってたんだろうね。」
「・・・・・さあな。」
きっと・・・こんなに苦しんでるミカゲの姿はなかったんだろうな・・・。