トランプの世界

□九話
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「アルの・・・部下だあ?」


ガゼルがギロリと睨む。


「残念ながら。
 貴方が王女を裏切るとは思ってもみませんでした。
 あんなに―――一途な貴方が。」

「・・・・・。」


アルが黙っているとアラフォードは溜息をついた。
それからガゼルのように睨みつける。


「失望したんですよ。
 あんたの中途半端さに。」

「ちょ、ちょっとやめてよ!!」


ソフィアが前に立つ。


「なに?二人の間に何かあったの?
 いや、王女様と三人か?
 まあ、いいとして、何かあったの?なんで怒ってるの??」

「ソフィア・・・やめてくれ。」

「・・・アル?」


アルの言動にソフィアは首をかしげる。


「本当に貴方には失望しましたよ。
 王女はなんで貴方なんかを選んだんでしょうね?
 貴方なんかより・・・」


きゅっと唇を結ぶアラフォード。


「王女の命により・・・貴方方を殺します。
 特に・・・アンタには痛みを散々だって言うほどの苦しみを与えてな。」


アラフォードは大剣を手にした。
自分の体よりも大きめの刀だ。

アルも黙ってクナイを構えなおす。


「アル!!」

「ソフィアは他の奴らをガゼルと一緒にやってくれ。
 コイツは隊長・・・まだ援軍が来るだろう。

 コイツとは・・・俺はケリをつけなきゃいけないんだ。」

「アル・・・」

「ソフィア早くしろ!
 邪魔だけど!!」

「なんですって!?」


怒りながらソフィアはガゼルのもとに走る。

それを確認してほっとした時、気配が近づいたことにアルは気付く。
前を向けば大剣を振りかぶっているアラフォードの姿。

すぐさまクナイで止める。

金属のぶつかり合う音が鳴り響いた。


「くっ・・・・・!」

「アンタが・・・アンタが、俺の人生をどん底に落としたんだよ!!」

「っ・・・そんなことを俺に言うな!」


弾き飛ばすと二人はそれ以上に距離を取り睨みあった。
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