トランプの世界

□十二話
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アラフォード達と戦った場所からハートの城までは近い距離だった。
チラリとソフィアがアルを見た。


「アル、大丈夫?」

「え?」

「だって…ここは」


城を見ながら呟くソフィアを見てアルは苦笑いする。


「大丈夫だよ。
 もう決めたんだ。」

「・・・・・アル。」

「行こう。」


ゆっくりと城のドアを開け、エントランスに向かうと同時にドアが勢いよくしまった。
そしてまわりには兵が囲む。


「え、えぇ!?
 こんなに早く!??」

「…おい、なんかおかしくねえか?」

「何が?」


ナイトメアが首をかしげてガゼルを見る。


「兵が、やけに少ねえ。」

「え…?」


バッと見てみると確かに以前までは100は超えていたのだが
ここにいるのは60くらいだった。


「あれ、ほんとだ。」

「…ねえ、なんか違う。」

「は?」


ガゼルが眉間にしわを寄せながらソフィアを見る。
それを気にせずソフィアはある兵を指差した。


「前の人たちと服装が違う。
 アラフォードくんの…よりも少し下みたいな…?」

「・・・・・アル。」

「あぁ、間違いない。」


ぎゅっとアルが拳を握る。


「Sクラスの兵だ。」

「よく覚えていたな。」


カツンと音を鳴らして一番前に来たのは忘れられる訳のない嫌がらせを続けた本人。


「レイ…!」

「ふん、名前まで覚えていたかドブネズミが…。」


見下すように言うとレイは手を上にあげた。


「隊長から命ずる。
 "裏切り者アル・レフォード、そして反逆地域アリスを――



 殲滅せよ!!"」



そう言うと同時に兵たちが向かってくる。


「近くに居たら危険だ。
 いったん散らばるぞ!!」

「おう!」

「ソフィア、行くよ。」

「う、うん!」


そう言うと四人は一斉に散らばった。
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