短編

□涙の跡に
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「え・・・ナツキさんってカカシさんと幼馴染・・・なんですか?」

「うん、そうなの。」


大分昔にそんな話をしていた。


カカシさんはナツキさんと幼馴染で

中忍や上忍の女性の中でもとびっきり人気で

実力もあって物腰も柔らかい…

近寄りがたいところも女性にとって惹かれるのだろう。


だからたまに心配なんだと言っていた。


感情をちゃんと伝えないから

いつまでも一人で押し込んでないか


それがずっと怖いんだって。


彼女は大分昔に両親を失っている。

だから、幼馴染であるカカシさんが

時には弟のように心配で
時には兄の様に頼もしいのだろう。


俺とは違って・・・・・


「イルカ先生。」


はっとその声に振り向く。
そこにはナツキがいた。


「・・・どうも。」

「・・・ごめんなさい、少し話しできる?」

「すみません、時間が押してるので・・・」

「え、それなら俺やるけど?」

「いや、俺しかわかんないこともあるからさ!」

「・・・そっか、ごめんね。」


そう言ってナツキは姿を消した。
ふぅと息を吐く。


「喧嘩中?」

「・・・いや、そんなことは・・・」


俺・・・思いっ切り避けちゃったな・・・。


正直カカシさんもナツキのこと気になってる気がする。
行動を見てればまぁまぁわかるよな・・・。


・・・俺を捨てることなんてないよな・・・。


でも、カカシさんとくっついた方が幸せなんじゃ・・・。
上忍で、給料もあるだろうし・・・
カッコいいし…
実力もあるし・・・

でも、本当に・・・俺から離れてカカシさんとくっついたら・・・


「〜〜〜〜っ!!」

「お、おい大丈夫か!?」

「・・・・・腹が痛い…。」

「か、帰った方が良いんじゃないか?」


考えるだけで腹が痛くなった。
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