短編

□いつでも妬いて妬いて
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「ちょいとセトさん。」

「はいっす。」

「ナツキに近づきすぎだよねー?なんなのもー?」

「んーカノに壁ドンされても身長差がありすぎてなんも感じないっす。」

「死ね、馬鹿蛙。」


今のは欺いてないよ?うん。
くすくすと笑うセト。


「なんだよ…」

「カノも愛しすぎっすよー」

「・・・・・も?」


もってなんだ、もって。


「やっぱ二人ともそこが鈍感っすねー」

「え?」


「ナツキはよくカノとキドを見て嫉妬してるっすよ?」

「・・・・・え?」


今…なんて?


「だからカノとキドみて嫉妬「今心読んだろ。」いや、そんな顔してたっす。」


いや、絶対読んだ。
目が赤かったぞ、うん。


「二人だって距離が近いじゃないっすか?
 だから少し不安がってたりもしてたっす。」

「不安…?」

「っす。
 "キドみたいに私はカノを知らないから何も言えない"って。」

「・・・・・。」

「怖いんすよ、ナツキは。
 俺たちとは違って途中参加で…みんなのこと昔話なんか知らないっすからね。」

「・・・・・そうだね。」


そっか…不安だったんだ…。


「まあ、あとは任せたっすよ。」


そう言ってセトは部屋を出ていく。
なんなんだもう…。


「なんで僕…気付かなかったんだろう…。」


それが悔しかった。
と、その時


「きゃあ!」


ナツキの悲鳴が聞こえた。
僕は慌ててリビングに走る。
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