魔砲少女リリカルなのは・訳の解らない転生者の物語
□【無印編】
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◇.1
【終始訳の解らない転生劇】
「手短に言うわ、転生しなさい」
「は?」
思わず、「は?」と言う言葉が口から零れる。
銀髪碧眼の美女と呼べるであろう、俺より2、3歳上の女性が俺に転生……俺の考えてる意味が間違ってなければ、何処かに生まれ変わると言う意味だろう。
「……って聞いてる!!」
「えっ、あ、はい」
女性に向かい反射的に生返事をする。
すると何処からか大量の足音がドタドタと聞こえて来る。
「ッ、今回は速いわね、アンタにはリリカルなのはの世界に転生して貰う……そして、これを引きなさい!!」
リリカルなのは……巷で有名な魔砲少女熱血バトルアニメだったはず……転生……繋がったな……どこかの二次創作みたいな状況か……
「って、良いから引きなさい!!」
女性がバンっと何処からか出したテーブルを叩く、テーブルの上にはタロットカードが散乱していた。
「これは……」
「引け」
「は、はい」
適当に一枚引く、すると、一枚しか引いて無いのに、三枚重なった状態で引いてしまった。
「……愚者と剛毅の正位置、死神の逆位置か……良いカードを引いたわね」
女性は言葉を囁き、そのカードを俺に向かって投げる、咄嗟に右手でガードするが、カードは右手に異物感や痛み無く吸い込まれる。
「……っとこれで完了、転生頑張ってね」
ニコニコと女性は手を振る、すると俺の視覚は段々暗くなり、最後には真っ暗になった。