ストゆり

□強制的に入部です
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 ペリーヌは期待を胸に膨らませていた。
 季節は春、新しい出会いの始まりである。そしてこの学園で始まる生活に胸を膨らませているペリーヌ。
 ここはウィッチ学園。名の通り魔法育成学校である。しかし古風な箒に乗って飛ぶような魔法使いではない。ストライカーと呼ばれる魔法力を引きだす機械を使用する魔法使いである。
 昔はネウロイと呼ばれる異形物体と戦うために使われていたみたいだが、現在はそんなことはない。
 ペリーヌは校門をくぐってから建物の入り口まえに張りだしてあるクラス割りを見て自分のクラスを確認した。
 魔法学校とは言ったものの別に変わった作りの建物でもない。確かに外見は少しおしゃれな感じかもしれないが、中は普通の学校だった。
 ペリーヌは教室に入って今度は座席を確認した。一番後ろの窓側の席だった。ペリーヌは席に着席して入学式までの時間を待った。

「なあ、ペリーヌ置いてきて良かったのか?」
「しょうがないダロ、宿題忘れたんだから」
 やけに喋り方が棒な感じの少女は机にプリントを広げながら言った。
「だからあれほど言っただろ、だいたいエイラはだな」
「あー、バルクホルンの説教は聞きたくないんダナ、説教するなら手伝ってくれないか」
「知るか!」
 バルクホルンはエイラの願いをあっさりと断った。エイラはブーと口を膨らませながら机に顔をのせる。
「しかし、エイラの私用で置いてかれたペリーヌは可哀想だな」
「ダナ」
「おまえのせいだ」
バルクホルンが突っ込むように言う。そしてスピーカーからホームルームを開始するチャイムの音が鳴った。この時エイラの宿題は一つとして終わっていなかった。
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