ものがたり
□夜兎篇3
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さて、日も改まって12月21日。
今日はあいにくの雨模様。これではろくに行動できないということで、作戦会議を開くことにした。
まず、なんやかんやで春雨の戦艦に潜り込むことに成功した、というところからだ。
新「やっぱりここは、みんなバラバラに潜入するほうがいいですよね。」
銀「あぁ、そうだな。そのほうが万が一見つかったとしても怪しまれにくいだろ。」
楽「………。」
新「?神楽ちゃん?どうかしたの。」
なんだか難しい顔をしている神楽に、新八が尋ねる。
楽「銀ちゃん…私…。」
泣きそうな、思い詰めたような声の神楽に、銀時は内心少しだけ焦る。
銀「神楽?どうした。言ってみろ。」
楽「私…あいつと…あのバカ兄貴とサシで戦いたいネ!」
銀・新・朱「!!!」
突然の神楽の提案に驚き黙る3人。神楽は、それには構わず続ける。
楽「吉原の時は私、自分に負けてしまったアルけど、あれから鍛えなおして、自分にもあいつにも負けないくらい強くなったアル!だから…だから今度こそ、神威を救ってやりたいネ!!お願いヨ銀ちゃん!新八…朱里!」
3人「……………。」
神楽の兄に対する強い想いがひしひしと伝わり、3人は閉口する。最初に口を開いたのは銀時だった。
銀「…神楽。お前…本当に、大丈夫なんだな?」
新「銀さん!?まさか、神楽ちゃんを1人で行かせるつもりですか!?そんなの、あぶな「新八。」」
新「!」
銀「新八……お前ならどうだ?お前ならどうしたい?」
新「……。」
黙ってしまったが、小さくうなずいた新八。想いは同じのようだ。
家族を…大好きなあの人を
この手で救いたい。
この手で護り抜きたい。
そして……
ずっと、一緒にいたい。