□安らぎ
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赤司と仲良く手を繋ぎながら帰宅し、晩御飯の用意をする。



まだ数日しか経っていないのに
前から住んでいるようだ。


それだけ居心地がいい。


自分の家も悪いわけではないのだが

やはりあの一人の空間がどうしても嫌だった。




「あ、そういえば。」




着替えながら赤司は雅の方を向いた




「ん?」



「今日、泣いただろう。」




「え・・・・・」




もう目は赤くないはずだ、なのになぜバレてしまったのだろう




「泣いてないよ!」



「君は嘘が下手だね、」



少しづつ雅に歩み寄る赤司




「さっき教室で寝ていただろう?


その時に雅の目元が赤くなっていたんだよ。」




雅の頬に手を当て、上を向かせる





「どうして僕のいないところで泣くんだい?


それにどうして理由も言わないんだ?」



「それは・・・・」



「君の事だから大方、僕の心労を増やしたくないと思ったりしているんだろう?」



まっすぐな赤い目に口が真実を言おうと開きたがる



「あいと・・・喧嘩したんだ。


だからかな・・・・ほんとだよ・・・」



「そうか、ほかには?」




”嫌がらせされている”とは言えなかった。



自分で戦うと決めたからだ。




「ほかには、ないよ。」




「そうか、ならいい。


これからはちゃんと僕に言うんだよ?」



「うん、ありがとう。」



「君の泣き顔を見ていいのは僕だけなんだから。」



「・・・もう泣かないよ。」



ふっと笑う赤司が
瞼にそっとキスを落とす




「おまじない。」



「・・・・ありがと。」




柔らかく笑う赤司に思わず見とれてしまうが
いけないいけない、と頭を軽く振り台所へと向かう




その仕草を見て赤司は静かに笑った
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