赤司
□君と星と終焉と
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天文学者、それは
宇宙のいろいろな現象を観測し、
宇宙の成り立ちや地球誕生の秘密などを探っていく仕事である。
僕、赤司征十郎もその一人だ。
僕には恋人がいる。
同棲を始めてもう5年だ。
一か月後には結婚式を挙げる予定だ。
くどいようだが、天文学者とは、
簡単に言えば一日中宇宙のことばかり考えている。
そして同時に、地球外を行き交う隕石などの追跡も行っている。
地球に落ちるものがないか計算しているのだ。
隕石のほとんどは地球の大気圏内で消滅する
だが極稀に地球に落ちてしまうものがある。
それはとても小さいものなのに莫大な被害を及ぼす。
それだけで済めばいいが、もっと大きなものが落ちてくるとなると・・・・
考えるだけでもおぞましい。
僕たちはそんなものが地球に近づいていないか一日中監視している
そして同時に対策も考えるのだ。
まあ、考えるだけでもし大きなものがくるとなると何もできないのだが。
そうなると地球の危機を知れるのは僕たちだけだ
そして外部には決して情報を漏らさないのがルールだ。
地球の最期の瞬間を知っていても
何事もなかったの様に恋人や家族に接する
これほどまでに残酷なものはないだろう。
そして今までにこんなことはなかったのだ。
今までには。