赤司

□来世編
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目を開けた。


















ここは、どこだ?














ベッドから起き上り、あたりを見回す






頭がズキズキと痛む。





すると部屋のドアが開き一人の女性が入ってきて僕を抱きしめた。







「征十郎・・!!よかった・・・!!」






誰だ・・・・?





「だ・・・れ・・・?」





「え・・・・お母さんよ!!征十郎・・・!」




僕の肩を掴み、揺さぶる

目には涙が浮かんでいた。




「おい!やめないか!征十郎は怪我をしているんだぞ!!」



後ろから男性が女性の腕を掴み、
僕から引き離す。





「大丈夫か?征十郎?」





大きな手で優しく頭を撫でられる。






「・・・はい。」





そう答えると男性は目を見開いた




「お前・・・どうしたんだ?敬語なんか使って・・・」




どうしてって、年上には敬語を使うべきだろう。
それに初対面だし。



頭に手をやると包帯が巻かれていた

触ると少し痛む




「あの・・・僕はどうしてここに・・・」




「もしかして・・・覚えてないのか・・・?」




こくりと頷く。




「そうか・・・征十郎、お前は事故に遭って3日間昏睡状態だったんだよ。」



3日も・・・?



事故・・・・




何かが頭の中で引っかかる。





なんだ。



なんなんだ。





このモヤモヤしたものは。







「そういえば、今日はふたご座流星群がくるんらしい、お前は星が好きだからもし目覚めたら報告しようと思っていたんだ。」




「そうよ、だから一緒に見ましょう。」




先程まで取り乱していた女性も落ち着きを取り戻している





「流・・・星群・・・?」




「そうよ、流れ星がたくさん流れるの、

お願い事しなきゃね。」




僕の両肩に手を置き優しく微笑む。





「お願い事・・・流れ星・・・」



うわ言のように呟く。




「そうだ、天文学者になりたいとお願いしてみたらどうだ?

お前の夢だろう?」




「天・・・文学者・・・・」



流星群


たくさんの流れ星


お願い事


天文学者



頭の中をぐるぐると回る



なにかが、



なにかが思い出せそうな


歯痒い感覚が体を蝕む





頭がズキリと痛む



―午前二時くらい・・・ないか―



勝手に頭の中で音声と映像が流れる



―ここの丘は僕たちが・・・った場所―



ああもう、なんなんだ。




―征ちゃ・・・願い事・・きゃね・・―




―見て!・・・だよ・・・ちゃん・・―



誰だ、君は・・・



―幸せに・・・なろうね―




―名無子・・・僕は・・・―














―守れなくて、ごめん。愛してる―

























おもいだした










































       
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