愛し言葉(声)
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ドンキホーテ・ドフラミンゴ。
25歳。
男。
悪魔の実の能力者。
海賊。
そう自己紹介した男――もといドフィ(彼がそう呼べと言った)は私を屋敷の中へと通した。
明るく、豪華な玄関に入り、廊下を歩けば、壁に飾ってある綺麗な絵が目に入り、思わず息を呑んだ。
なんなんだ、この豪邸は。
お金持ちの家じゃないか。
ただ、この屋敷はドフィ一人には広すぎる。
誰か同居人がいるのだろうか。
そう考えれば、使用人用らしき部屋の前を通りかかった。
なるほど、お金持ちなんだな、この男。
しかも、天竜人に並べるほどのものなのだな。
「ここにはたくさんの人間が住んでいる。お前と年が近ェのは……ローだな。紹介してやろう」
人付き合いは得意ではない。
誰かとまともに話したことがないのだ、しょうがない。
『紹介』という単語に不安を覚えながらも、ドフィの後をついていけば、目の前から一人の男が歩いてきた。
…脇に私と同じくらいの年の子供を抱えて。
「ドフィ、誰だその子は」
「拾ったんだ。ヴェルゴ、ローの教育ご苦労だな」
「ロー?どこにいるというんだ?」
「今お前が脇に抱えてるじゃねェか」
「そうだ、おれはローを抱えているんだった」
ドフィの言葉で、自分の脇目を見た男は、思い出したかのように声を上げると、抱えていた子をそのまま床に落とした。
ゴツン、と鈍い音がなり、さきほどまで『下ろせ!』と反抗していた子が床とキスをする。
…痛そうだな。
この男には関わらないほうが良いのかもしれない。
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