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「火竜の_」
ぶんっと大きく振り上げた腕に眩しいくらいの明るい炎が宿る。
それを遠巻きに見つめながらルーシィはいそいそと木の影に隠れると、懐から一本の鍵を取り出した。
「開け!獅子宮の扉っ!」
「鉄拳!!!!!」
「レオ!!!」
ドカァアンッという破裂音の後にまばゆい光が森の一部を埋め尽くす。
中心部からぽんっとコミカルな音をたてて登場した人物はスーツのほこりを鬱陶しそうに払うやいなや、うやうやしく頭を下げた。
「お呼びかい?僕らの姫。
っていうか、今回も派手にやってるねー。」
大概臭い台詞を吐いた後、呑気に現状を観察する青年にルーシィは慌てて言葉を吐き出した。
「やってるねー、
じゃなくて!
はいっ、参戦する!」
ぱんっと掌をならすと、レオはやれやれと言いたげに肩をすくめる。その動作に酷くイラつき、ルーシィは容赦なくその背中をこずいてやった。
ふざけるのも大概にしろといったその表情にようやく気がつき、それでも笑顔を崩さないレオはルーシィにむかってひらりと手を降った。
「はーい。分かってるよ。
じゃあいってきます。」
まばたき1つ。
それだけの間に、はちみつ色のオレンジヘアーは視界から消えていた。
ルーシィは安心したかのように一度深く息を吐くと、次の行動に出る。
よく動く目が探すは、青い毛並みの猫。
慌てて辺りを見回せば、それはすぐ足元で発見された。
頭は無惨にも、ぬかるんだ土にはまっている。
「んもぅっ!本当しょうがないんだから!」
控えめ程度に飛び出た足をひっぱれば、それはぱしゅっと軽い音を立てて外れた。
まるでビールの栓ね。
心のなかで呟いた言葉は胸の奥底に秘めておくことにする。
「うわぁああんっ
ひどいよーナツぅ!!!
おいらのことはどうだっていいって言うの〜!!!?」
「あの状況ではしょうがないでしょー!!?
ほら、あんたも他のみんなにこの状況を伝えなさい!!!」
わんわんと泣きじゃくる小さな背中を宥めるように撫でながら、しっかりと用件を伝えるのも忘れない。
ハッピーはぐずりと鼻をならしながらも、それに答えるようにエーラを発動した。
「ルーシィも使いっぱしりが酷いなぁ..」
「聞き捨てならないわよ!!?」
「まぁいいや。
いってきまぁす。」
...
やっぱりネコ科って似るのかしら?
先程似たような言葉を言われたような、
と飛んでいくハッピーを見送りながら
頭がくだらないことを考え始めた時だった。