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「ナツ、帰る準備をしてもいいのだぞ。」
「エルザもここは俺に任せてあいつらについていっていいんだぜ。」
「私は別にいいのだ。」
「あっそ。じゃあ俺もいい」
「...........」
「...........」
「「なぁ。」」
売り言葉に買い言葉という表現が
まさに似合う言い争いののちの
まさかの被った声に、互いが互いに屈強な目を見開く。
ナツは暫くおもむろに窓の外をみやっていたが、エルザが先に口を開く気がないという様子を感じとると、ため息を前置きに話し始めた。
「お前さ、何をそんな思い詰めてんだ?」
ぴくり、とエルザの肩が反応を示す。
それを見逃すほど、彼もバカではなかった。
「なんかあのあとのお前さ、
おかしんだよ。
準備をしろしろ言うわりには頑なにグレイから離れねーし。
下向きっぱなしだし....。
ルーシィに大人しく励まされるたまでもなかったはずだろ?」
「....ああ。そうだな。
まさか私もルーシィに助けられるとは思わなかった。」
この落ちきった気分を。
はは、と笑う顔には僅かな悲しみが漏れでている。
未だ上がることない視線の先に一度グレイを写すと、
ようやく彼女は秘密を暴露するかのごとく、小さく呟いた。