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#8

「ナツ、帰る準備をしてもいいのだぞ。」

「エルザもここは俺に任せてあいつらについていっていいんだぜ。」

「私は別にいいのだ。」

「あっそ。じゃあ俺もいい」

「...........」

「...........」




「「なぁ。」」



売り言葉に買い言葉という表現が
まさに似合う言い争いののちの
まさかの被った声に、互いが互いに屈強な目を見開く。

ナツは暫くおもむろに窓の外をみやっていたが、エルザが先に口を開く気がないという様子を感じとると、ため息を前置きに話し始めた。


「お前さ、何をそんな思い詰めてんだ?」

ぴくり、とエルザの肩が反応を示す。

それを見逃すほど、彼もバカではなかった。


「なんかあのあとのお前さ、
おかしんだよ。

準備をしろしろ言うわりには頑なにグレイから離れねーし。
下向きっぱなしだし....。

ルーシィに大人しく励まされるたまでもなかったはずだろ?」

「....ああ。そうだな。

まさか私もルーシィに助けられるとは思わなかった。」

この落ちきった気分を。

はは、と笑う顔には僅かな悲しみが漏れでている。

未だ上がることない視線の先に一度グレイを写すと、
ようやく彼女は秘密を暴露するかのごとく、小さく呟いた。
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