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「っはー!つっかれたー!」
ボフンッとベッドに寝転ぶ姿は昨日見たものと全く同じで、グレイは思わず苦笑を漏らした。
「だからすぐにベッドグシャグシャにすんじゃねーって何度もいってんだろ。」
「るせー。
これは俺のベッドだ。」
違うだろ、という言葉を聞きもせず、ナツは再び勢いよくベッドへとダイブをする。
まあ俺のは無事だし、いっか。
あんまり言ってもお節介だろうと仕方なしに溜め息をつくと、グレイはふと疑問に思った言葉を口にした。
「そういや、ハッピーは?」
思えば昨日の夜もそうであったとグレイは今さらながらのことを考える。
常日頃一緒にいるというのに、なぜかこの部屋にはその姿が見当たらない。
「知らね。
ウェンディとこじゃねーの。」
ぷいっとそっぽを向くナツを見るや否やその裏に隠された思いを聞かなくても分かってしまい、グレイはああ、と言葉をもらすとそれきり何も言わなかった。
きっとハッピーは一秒でも長くシャルルといたいのだろう。
そしてそれはきっとナツにとってあまり喜ばしいことでは無いこともグレイには全てが分かりきっていた。
「あ、えーと、
俺ちょっと外行ってくんな。」
「は?どこいくんだよ。」
「街の下見だよ。
俺がしなくて誰がする。
んじゃあな、お前はそこで休んでろバカナツ。」
「バカは余計だ!」
いつもと変わらぬ叫び声を背に聞きながら、グレイはゆっくりと後ろ手に扉をしめた。