イナGO

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「幼なじみ」
「そう」
ライバルでは無いのね。
「それじゃぁ私帰るね」
起き上がろうとして絶望した。
起き上がれない。
ここまで自分で決めて来たのに、人の手を借りなければ帰ることも許されないんだ。
誰にも言わないで来た罰なのかもしれない。

「帰らないでくれ」
抱き起こされて、そのままぎゅっと抱き締められた。
「矛盾してるよ。でも私、勝手に来ちゃったから帰らなくちゃ」
「おばさんとおじさんにはが連絡がいったはずだ」
脚のこと、伝えたかはわからないけど
「違うの。そういうんじゃないの。私はここに来ちゃ行けない子なの」

強く強く抱き締められ白竜の心臓の音を、声を聞く。
「でも小春は来てくれた。」
本当のことを言おう
真面目ぶった声は年相応の高めの声。
「来てくれて嬉しい。ありがとう」
頼りなくて、時々心配になる白竜に「どういたしまして」と伝えるなら「やっぱり矛盾してる」って笑う方が私らしい。

笑う私を何も言わずにベッドに横にすると、カーテンの外に出て行った。
まだ居るのが影で見えたから声をかけると、ちょっぴり恥ずかしそうに専属のマネージャーを決めないといけないんだという。
「もし、お前がよければ」
願うような声だと思った。

「もちろん、私でよければ」
さあ白竜、どちらが組織に必要とされ続けるか競おうね

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