イナGO

□ビー玉
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シュワシュワころん

「アメ舐めてるの」

「知ってるよ」

小春はつまらなそうに口をとがらせた

「天馬おもしろくない」

「ごめん」

何かつまらないことをしたらしい

だけどそれが何だかわからない

「もっとさ、もっと気の利いたこと言ってよ」

「どんなこと?」

「例えば、あれだよ、何味?とか」

「それって気の利いたことかな?」

「天馬にはわからなくていいんだよ」

小春の膨れた頬を突く

「やだ!天馬!」

「ひどいな」

「びっくりした」

「小春より、俺のほうが驚いた」

「あっそ、」

そっぽを向いて口をきかないってアピールするから、気を引こうって目論んだ

「話そ」

「なにを?」

「アメのだよ。何味だとか」

おもしろくない。

小春は呟いてから色を当ててと言う。

「イチゴだよ」

「ピンク色?」

首を振る。

「じゃあ何色?」

頼んでもいないのに口を開いて舌の上に乗せたアメを見せる

その女の子特有の色気に唾飲んだ。

「真っ赤だ」

赤いのは小春の口のなかだ

キスしていい?なんて聞いたらもう一生口きいてもらえ無そうだから聞かない。

聞かないでキスした。

アメ玉を掬い取る

こいつを(名前)の口のなかに居座らせるのは俺の捍に触った。

「甘くない」

「甘いよ」

「小春ほどじゃない」

「当たり前でしょ?何言ってんのよ天馬」

「当たり前だよな」

俺は透明なビー玉を床に落とした

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